オートミールは本当にやせるのか?
最近ダイエットで注目される理由
最近、「ダイエットにいい」としてよくメディアで取り上げられ、店頭で扱う種類も増えているオートミール。
日本ではあまりなじみがない食材だったので、「食べたことがない」という人や、また「昔、食べたことがあるけどおいしくない」という人が多いのではないでしょうか。
今回は、なぜオートミールが注目を集めているのか、どんな種類があるのか、また人気の“食べ方”についてご紹介していきます。
目次
そもそも、オートミールって何?
オートミールとは、「オーツ麦」(燕麦:えんばく)を食べやすく加工したもの。
麦ごはんによく使われる、押し麦やもち麦の原料としておなじみの「大麦」とは異なる種類の麦です。
殻を取り除いただけで粒感のあるものや、押し麦のような状態のもの、シリアルのように牛乳やヨーグルトをかけるだけで食べられるものなど、形状や食べ方はさまざまで、それらをまとめて「オートミール」と呼びます。
日本ではまだなじみがありませんが、欧米では朝食としてよく食べられていて、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なため、健康食としても人気の高い食品です。
最近では日本でもオートミールを使ったダイエットが話題になっており、レシピ動画サイトやSNSでもさまざまなアレンジメニューが登場しています。
ダイエット中でオートミールの使い方悩んでる人!
とりあえずこれはやってみて!【オートミールでつくる!中華鶏がゆ】
鍋にオートミール、水入れ弱火。鶏ガラ、しょうゆ、サラダチキン、卵ひと回し。皿に盛り、ごま油、ネギ。
ヘルシーだし栄養も満点!
詳しいレシピ?? pic.twitter.com/gBMOSPaIFi
— ぐっち夫婦@料理家 (@gucci_fuufu) October 9, 2021
オートミールと白米、玄米の栄養を比べてみる
オートミールと白米、玄米のカロリー、糖質、食物繊維の量を比べてみました。
以下、100gあたりの成分です。
・オートミール:エネルギー量…350kcal、糖質…59.7g、食物繊維…9.4g
・白米:エネルギー量…342kcal、糖質…77.1g、食物繊維…0.5g
・玄米:エネルギー量…346kcal、糖質…71.3g、食物繊維…3.0g
乾燥した状態、同じ重さで比べてみるとカロリーは白米が最も低く、糖質量はオートミールが最も低いことがわかります。
オートミールのカロリーが高くなる理由は、オートミールには米と比べタンパク質が約2倍、脂質が白米の6倍以上、玄米の約2倍の量が含まれているためです。
また、オートミールの食物繊維は白米の約19倍、玄米の約3倍とかなり高いことも分かります。
このようにオートミールの良いところは、
(1)お米に比べ糖質が少なく
(2)食物繊維が豊富
(3)タンパク質が豊富
――という点なのですが、さらに下記のようなメリットがあります。
(4)カルシウム含有量が白米の約9倍
(5)鉄の含有量が白米の約4倍
(6)糖質や脂質の代謝に不可欠なビタミンB群も豊富
(7)水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいる
(8)おなかの中で膨らんで満腹感が持続しやすい
ビタミンB群は代謝にかかわる栄養素なので、代謝アップの効果も期待できます。
水溶性食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにして、不溶性食物繊維は便秘改善に効果的です。
ダイエットしたい方はもちろん、成長期のお子さんや食が細くなったお年寄り、貧血でお悩みの方など、幅広い年代にメリットがある食品と言えます。
1食あたりのカロリーを比べると……
加えて、ダイエットでオートミールが注目されている大きな理由として、1食あたりのカロリーの低さがあります。
最近人気のレシピを見ると、一食分はオートミール30gのものがほとんど。
たくさん食べる人でも、40gで作れば満腹になるはずです。
一方、白米や玄米の場合、お茶碗1杯で150~160gのごはんは、乾燥した状態で約65gになります。
オートミールを30g、米と玄米を65gとして一食分を比較すると下記のようになります。
・オートミール:エネルギー量…105kcal、糖質…17.9g
・白米:エネルギー量…222.3kcal、糖質…50.1g
・玄米:エネルギー量…224kcal、糖質…46.3g
白米や玄米に比べると、1食分のオートミールのカロリーは約半分、糖質は約3分の1。
主食をオートミールに置き換えることで、カロリーや糖質を無理なく減らすことができるため、ダイエットをする人の注目を集めているのです。
オートミールダイエット記録??
ワンプレートお昼#オートミール #ダイエット記録 pic.twitter.com/lhVunbKfqn— なち (@Na_c_h_I_com) October 9, 2021
オートミールの基本の食べ方
オートミールは乾燥した状態で販売されていますが、ふやかして食べるのが基本になります。
特徴や何で戻すかによって、食事になったりスイーツにもなったりするので、いくつか種類ごとにご紹介していきます。
ロールドオーツ
脱穀したオーツ麦を蒸してからローラーで平たく伸ばし、乾燥させたもの。
日本のスーパーで手に入るのはこの種類が多いです。
そのまま食べるには硬く、食べにくいため、加熱して食べるのがおすすめです。
5分程度の加熱で柔らかくなります。
麦の粒感が感じられます。
ヨーグルトや牛乳を加えて冷蔵庫で一晩漬けた「オーバーナイトオーツ」が話題になっています。
クイックオーツ
ロールドオーツを細かくカットしたもの。水分が早く浸透するため、調理時間がさらに短くなります。
味はついていないものの、そのままでも食べられて調理用途が幅広いため、初心者におすすめ。
お茶漬けの素と水で戻してレンジや鍋で加熱して和風で食べたり、インスタントのスープに入れてリゾット風に食べたりすることもできます。
インスタントオーツ
ロールドオーツを調理し、すぐに食べられるように加工したもの。なかには味付けされているタイプもあります。
手軽なので初心者に扱いやすいオートミールです。
シリアル感覚で牛乳をかけたり、ヨーグルトにフルーツと一緒にのせたりして食べるのもおすすめです。
他の種類と比べてかみ応えはないので、とにかく手軽にとりたいという方向けです。
あたしの必需品??#オートミール #ダイエット pic.twitter.com/VK6I2Md481
— なち (@Na_c_h_I_com) October 9, 2021
オートミールの栄養を効率よく取り入れるには
栄養価の高いオートミールですが、食材の組み合わせで、より効率よく栄養素を摂取することができます。
オートミールに含まれる鉄は吸収率の低い非ヘム鉄なので、動物性のタンパク質やビタミンCと一緒にとることで吸収率がアップします。
肉や魚、卵、ビタミンCが豊富なイチゴやキウイ、柑橘系のフルーツや赤ピーマン、葉物野菜と合わせるのがおすすめです。
また、カルシウムはビタミンC、ビタミンD、マグネシウムと一緒にとることで吸収率をアップしてくれるので、ナッツ類やキノコ、サケなども合わせると、栄養満点のお皿になります。
健康な体づくりに必要な栄養素がたっぷりなオートミール。
食べたことがないという人も、過去に食べたときにモソモソ感やべちゃっとした感じが苦手で遠ざかっていたという人も、この機会にぜひ挑戦してみてください。
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