いまさらだけどバイクのヘッドライトがオフにできないのはどうして?

一体なぜ?

バイクのヘッドライトがオフにできない理由

街を走るバイクを見ていると、そのほとんどすべてがヘッドライトを点灯した状態であることに気が付くと思います。

夜間やトンネルなどでヘッドライトを点灯させるのは当然ですが、太陽が明るい日中でもヘッドライトをオフにしているバイクを見かけることはあまりありません。

視認性を高めるための常時点灯

クルマの場合、どんな車種でも基本的にヘッドライトのON/OFFを切り替えるスイッチが備えられています。

しかし、バイクの場合、そもそもヘッドライトのON/OFFを切り替えるスイッチは搭載されておらず、エンジンの始動と連動して点灯する仕組みとなっていることが一般的です。

ではなぜ、バイクとクルマでこのような違いがあるのでしょうか。

かつてのバイクは、クルマと同様にヘッドライトのON/OFFを切り替えるスイッチが備えられていました。

しかし、増加するバイクの大事故を防ぐために、1989年には「バイクは昼間もライト・オン」という啓蒙活動が、日本自動車工業会や日本二輪車安全普及協会主導により、展開されることになります。

これは、昼間もヘッドライトを点灯することで、ほかの車両などからの視認性を高めることが目的でしたが、バッテリー上がりなどの懸念があることから、ライダー達からの不満も少なくありませんでした。

そこで、バイクメーカー各社は、ヘッドライトのON/OFFを切り替えるスイッチがそもそも備わっていないバイクを発売するようになり、その結果、街を走るバイクのほとんどがヘッドライトを常時点灯した状態となったのです。

自主規制から義務化へ

1998年に道路運送車両法が改正され、以降に発売されるバイクはヘッドライトの常時点灯が義務付けられるようになりました。

つまり、当初はあくまでバイクメーカー各社による自主規制という意味合いが強かったものが、法律によって義務化されることになったのです。

なお、道路運送車両法の改正前に製造されたバイクについてはヘッドライトの常時点灯義務はありません。

とはいえ、法改正からすでに20年以上が経過しており、街を走るバイクのほとんどが改正後に製造されたものとなっているため、現在では、ほとんどのバイクが昼間もヘッドライトを常時点灯しているということです。

「DRL」の装着で常時点灯しなくてもOKに!

一方、比較的年式の新しいバイクでも、ヘッドライトが常時点灯していない車両を見かける場合もあります。

実は、2020年の道路運送車両法の改正によって、条件次第でバイクのヘッドライトの常時点灯を行わなくて良いことになりました。

その条件とは、「デイタイム・ランニング・ライト(DRL)」が装着されていることです。

DRLは、昼間でも薄暗いことの多い北欧において、クルマやバイクの視認性を高めるために装着されるようになったのが発祥とされており、その後ヨーロッパやほかの地域へも広まっていきました。

現在では欧州で販売されるクルマにはDRLを備えることが義務化されており、日本でも2016年から正式に認められるようになりました。

そして2020年の改正でバイクでもDRLが認められるようになり、ホンダ「X-ADV」が国内モデルとしては初めてDRLを搭載したバイク、つまりヘッドライトの常時点灯義務のないバイクとなっています。

現状、DRLを備えたバイクというのはそれほど多くはありません。

ただ、特にヨーロッパ向けのバイクではDRLが標準装備となっていることが一般的であるため、今後は輸入車を中心に、DRLは普及していくと見られています。

注意しなければならないのは、現在の道路運送車両法では、ヘッドライトとDRLの同時点灯が認められていないという点。

つまり、既存のバイクに単にDRLを後付けするだけでは、保安基準に適合しないことになります。

デザイン上のアクセントになることも多いDRLですが、現在の道路運送車両法では、既存のバイクに後付けすることは難しいということは覚えておいて方が良いでしょう。

ネットの声

「バイクの昼間ライト点灯の本来の目的は「バイクが目立って車との事故を減らすため」なんだけど、いまだに右直事故は減らない。ライト点灯だけでは何も解決しない。車はろくに前を見ないし、バイクは交差点で速度を減らさない、両方まだまだ安全運転ができてないんだから警察や業界はもっとしっかり指導してほしい。」

「大昔まだバイクに乗っていたころのこと。注意喚起のため必ずヘッドライトは付けて運転していました。教習所でも習いますが、二輪車は対向車から実際より遅く見えるのだそうです。直進バイクが右折車に突っ込む事故はそうして起こる。そのうち点灯が当たり前になりましたが(笑)
ただやめてもらいたいのが車が停車中に狭いスペースをスピードを落とさず すり抜けようとする二輪車。車を運転する際通常は左側をあけて接触されないようにして 左折の時はすり抜けられないように左によって巻き込まないようにするのですが、時々無理に前に出ようとする二輪がいて困ります。」

「ライト常時点灯への過渡期を覚えてるよ。当時、二輪車の交差点事故が多発してて、予防措置として何か出来ないかということで日中もライト点灯をしてみようって流れがマスコミ(に出演してた交通安全関係者)から始まったと記憶してる。常時点灯が始まってから以前のような頻度で交差点事故が起きなくなったし、視認性の良さは皆さん体感してるでしょ?いいアイデアだったと思うよ。」

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