新型コロナウイルス「死滅説」と「風邪化説」は朗報か? 国立遺伝学研究所とNY大が指摘
11月1日の東京の新型コロナウイルス感染者数は9人。
1年5カ月ぶりの1桁に安堵感が広がりました。
しかし海外では10月下旬から感染者数と死者数が増加に転じ、ロシアなどでは深刻な状況が続いています。
10月28日、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は「パンデミック収束は程遠い」と警戒を呼びかけています。
目次
“ウイルス死滅説”と風邪化説
そのような中、2つのニュースが注目されています。1つは国立遺伝学研究所などがまとめた研究結果。
第5波が収束したのはウイルスの変異を修復する酵素「nsp14」が変化したためで、担当した研究者は「修復が追いつかず死滅したのではないか」と指摘しているのです。
もう1つはニューヨーク大の見解で、ウイルスが変異を起こし過ぎると感染力と複製力が低下すると予想。
ウイルスは今後も感染拡大を繰り返し、最終的に普通の風邪のような状態になると推測しているのです。
ハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士の左門新氏に解説です。
新型コロナが流行る前は風邪をひいてもマスクをしない人が居ましたが、最近はマスクをしない人が居なくなりましたね。しかし油断は禁物! pic.twitter.com/dkA2KpNium
— 猫リンゴ (@vlaze_rinda) November 3, 2021
根拠は…
まず「死滅説」について。
「ウイルスが変異するとき変異を修復して元に戻す酵素が存在しますが、この酵素はウイルス内の遺伝子によって作られる。この遺伝子が変化すると酵素も変異し、その結果、酵素が本来持っていた修復能力が働かなくなるとの理論です。その酵素がnsp14で、修復が阻害されたためウイルスが死滅したのではないかと研究者が推測しているのです」
ニューヨーク大の理論には2つの裏付けがあります。
①度重なる変異によってウイルスの毒性が強まると、感染した人などが死に、ウイルス自体も一緒に死滅する(自然淘汰)
②毒性が強いと人間がワクチンなどの対策を強化するため、毒性の弱いウイルスのみが生き延び風邪の状態になる(適者生存)。
こうした理由でウイルスの脅威が収まるというのです。
解熱剤を飲んでも熱はずっと下がらず…
酷い頭痛と吐き気、倦怠感。ここ数ヶ月間、良くなったと思えば直ぐに熱が出てしんどくなります。
38度以上になることはなく、微熱が続くため、寝ても疲れが取れた気がしません。これはなんだ…?
コロナにしては…長すぎる…咳や風邪っぽい症状がない…怖い pic.twitter.com/qjnMqKuh7W
— 鼻の音色 (@tone__color) November 1, 2021
信じていいの?
「死滅」と「風邪化」――。どちらも朗報だが、信じていいのでしょうか。
「遺伝学研究所が言うように、第5波収束の原因は酵素の変化が多少関係しているとも考えられます。ただ、それが大きな原因とは言えず、死滅はあくまでも推測にすぎない。普通の風邪に変化するとの見方は以前から医師たちが指摘していること。断定はできませんが、新型コロナで同様の現象が起きるとも考えられます」(左門新氏)
第6波が深刻にならないよう祈りたいものです。
ネットの声
「問題はまた海外からコロナを輸入してしまう事が怖い。国内の油断も怖いが、海外は現在感染者数以前より最多更新しているので水際対策を緩めるのでは無く維持か強化しなければいけない。」
「感染が激減しているのは、日本やごく少数の国だけでしょ。なのに、政府はもう終息したかのように、入国者制限を大幅緩和。自主隔離も3日間だけにするとか。せっかく終息に向かっているのに、又逆戻りしないか不安です。まあ国民が自民党を選択してしまったんだから仕方ないですが。」
「油断してはいけない派も、平常に戻れ派も日本が何故ここまで感染が減少したかには興味があるでしょう。というか、普段は欧米に追随するだけの自国を憂いているなら日本独自の研究をする絶好のチャンスだと思います。日本は特別!などと言うつもりはなく日本のためにも世界のためにもなるならこの研究をぜひ日本主導で進めて欲しいです。」