日本のスポーツカーの人気がすごい…GT-Rは爆上がり

日本のスポーツカーは「極上品」、GT-Rは海外バイヤーが次々買い付け…“爆上がり”の裏事情

日本の中古車に世界の目線が注がれている。とりわけ注目されるのが、国産スポーツカーだ。中古車・旧車の高騰化の大きな要因にも挙げられる“日本らしいクルマ”とは。

背景には何があるのか。

日本最大級の中古車情報メディア「カーセンサー」統括編集長で、リクルート自動車総研所長を務める西村泰宏氏に解説してもらいました。

ドリフト峠族が好きだったクルマに世界の熱視線 「頭文字D」の影響も…専門家が分析

80、90年代の国産スポーツカーの人気がすごい

同総研の調査では、2021年の国内の中古車の市場規模は4兆円を超え、購入単価とともに過去最大規模にまで膨れ上がりました。

さらに、空前とも言える「国産スポーツカーの旧車ブーム」が到来。

数千万円の売買、億単位の高値が付くとも言われている。日産・スカイラインGT-Rは、“爆上がり”の象徴的な存在です。

西村氏は「80~90年代製造の国産スポーツカーの人気がすごいです。主にアメリカのバイヤーや愛好家が買っています。アメリカでは、自国で売っていない車でも25年が経過すれば関税がかからず輸入できる『25年ルール』が存在します。日産・スカイラインGT-RシリーズはR32型をはじめ、R33型、R34型もバイヤーがどんどん買い付けている現状です」と解説。

RX-7やスープラも

他には、マツダ・RX-7やトヨタ・スープラなども“狙い目”にされているそう。

「新型コロナウイルス禍もあって、ドライブやカスタムを楽しむ人気が、世界的に再燃しました。そこに、もともとハリウッド映画『ワイルド・スピード』シリーズや日本が誇る漫画アニメ『頭文字D』でも知られていた多数の国産車の人気が加わり、注目度が高まったのです。日本ではドリフトの峠族が好きだったようなクルマが、一気に世界の注目を浴びるようになった格好です」と西村氏。「ここ1、2年で、『JDM』(日本市場)という言葉がSNSで盛り上がっていて、広義ではモデルそのものだけでなく、カスタムの仕方なども“日本っぽさ”がキーワードになっているんです」

円安や日本の道路事情も

それに、海外の買い手にとって歴史的円安の追い風もあります。

海外と比べて日本の優良な道路事情も関係しているといい、

「日本では10万キロの走行距離を超えると過走行だと思われてしまうことが多いですが、20~30万キロを修理しながら乗り続ける海外のドライバーにとって、日本で走っていた車はいい状態の『極上品』です。独特のエンジン、気筒も日本ならでは。もうこの人気は収まらないでしょう」

世界の中古車市場を、日本のスポーツカー車が席巻する時代はまだまだ続きそうです。

ネットの声

「日本はクルマの車検があるので2年毎の最低限の整備がされている。加えて、長距離を常用する人が少なく一般的に走行距離が伸びていないクルマが多い。
GT-Rなどの特殊なクルマはガレージ保管で状態が良い。
フェラーリやランボルギーニ、ポルシェ等の輸入車も日本で使用されているクルマは程度が良いと注目されていますよ。」

「32GT-Rを新車から乗って28年になりますが、ガレージの電動シャッターをこじ開けられようとしたことが何度かあり、車よりもシャッターの修理代がかかりました。
全然知らない車屋から買い取りのチラシがポストに入っていたり、ある程度業界内で所有者情報が共有化されているように思います。
セキュリティもいろいろ考えましたが、力づくで持っていかれないように床に強固なステンレス製ブラケットを取付けて4輪のホイールを貫通させる極太の丸棒シリンダを通して車が絶対に動かせないようにしました。入庫時はタイヤのエアも多めに入れて保管するので、そのエアの調整時間の間にロックを解除しますが出入庫に15~20分かかるので面倒ですがブームが去るまでの辛抱と思っています。」

「こういうナマの声、現実の購買行動こそが真の人気だ。でもだからこそ、欧州は環境問題をタテに日本車を締め出そうとするのをやめないだろうね。」

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