これから見る人がうらやましい「ハケンアニメ」最高!

苦戦から一転、満席続出中!『ハケンアニメ!』は「観客が宣伝マンになっている状態」

5月20日に公開され、映画ファンやアニメファンのみならず各界の著名人からも大絶賛の声が相次ぎロングランを記録中の『ハケンアニメ!』(公開中)。

公開直後は興行的に苦戦を強いられたものの、SNSや口コミを中心に話題が広がり、公開から1か月以上経った現在は満席となる劇場が続出。

上映期間の延長を決定した劇場や、新たに上映を決める劇場が出るなど、異例の盛り上がりを見せています。

その反響を受けて6月23日、ティーチイン付き特別上映会が渋谷TOEIにて開催。

ここでではその様子をお伝えしながら、「観客が宣伝マンになってしまう」と言われる本作の魅力に迫ってみたい。

特別上映会が大盛況

直木賞作家の辻村深月の同名小説を原作に、吉岡里帆が主演を務め中村倫也、柄本佑、尾野真千子が共演した本作は、日本のアニメ業界を舞台に、最も成功したアニメの称号(=覇権)を手にすべく奮闘する人々の姿を描いたお仕事ムービー。

地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ斎藤瞳(吉岡)は、監督デビュー作でスター監督の王子千晴(中村)と“覇権”を争うことに。

そして瞳は、クセ者プロデューサーの行城(柄本)や個性的な仲間とともに熾烈な闘いに身を投じていく。

今回行われたティーチイン付き特別上映会も会場は満席の大盛況。

劇中で制作デスクの根岸役を演じた前野朋哉と作画監督の河村役を演じた矢柴俊博、そしてメガホンをとった吉野耕平監督が大きな拍手で迎えられて登壇すると、

まず吉野監督が、

「これだけお客さまが入っている状況を見てドキドキしています」

と感無量の表情で挨拶。

監督と出演者の熱いトーク

続けて前野も

「朝起きたら寝ぼけながらも『ハケンアニメ!』でエゴサーチして、劇場の入りを調べてSNSに状況を投稿しています(笑)。最近ではお客さんが『この劇場はこれだけ入っています』と投稿したり、皆さんが宣伝マンになっている状態で、こんなことあまりないですよね」

と語り、

矢柴も

「最近はまさかこんな巨匠たちがというような映画監督さんたちもツイートしてくれたりしていて、はしゃいでリツイートしまくっています(笑)」

と、予想外の反響に喜びを隠しきれない様子。

「ちょっと遅れて熱い波が押し寄せてきた」とうれしそうに語る吉野監督ら3人は、撮影時の想い出や劇中アニメの制作秘話について熱いトークを展開。

2回から3回、なかには18回も鑑賞したという強者がいるなどリピーターだらけの観客から質問を募ると、監督や出演者でさえも気付いていなかったディテールについてや作品のトリビア的な質問などが多数飛びだします。

作り手と観客が一体となったイベントは、劇中さながら作品への熱い愛にあふれていました。

まだまだ見れる映画館も

また劇中で編集の白井役を演じた新谷真弓と原作者の辻村がサプライズで会場に駆けつけたことが明らかに。

マイクを向けられた新谷は

「皆さんのお話が聞きたくて、自分でチケットを取って参加しました」

と明かし、

辻村は

「チームの一員としてこの映画を盛り上げてきましたので、この映画を愛してくれる方々を自分の兄弟のように愛おしいと思っています」

と述懐。

そして

「今日観にきてくださった皆さんも、チームの一員になってくださる方々だと思っているので、本当に感謝しかないです」

と語ると、会場からは温かな拍手が巻き起こりました。

さらに6月30日(木)には、吉野監督と『映画大好きポンポさん』(21)を手掛けた平野隆之監督によるティーチイン付き上映会第2弾の開催も決定。

鑑賞者のSNSでの宣伝も大きな広がりを見せており、「#残れハケンアニメ」で投稿された熱量の高い投稿は、日増しに増加しています。

まだ劇場で鑑賞できるこの機会にこそ、すでに作品を観ている人もまだの人もぜひ、『ハケンアニメ!』の熱量を体感してほしいものです。

ネットの声

「仕事で好きを貫くことって大変なことだと思うけど、それでも貫きたいという思いに涙。その思いがチームを一つにし、作品を作り上げていく。それが本当に胸熱で涙。何かを創作する人、表現する人、自分の限界を超えて頑張ったことのある人にはとても共感できる作品だと思います。「自分が良いと信じる物を妥協せず作りたい。誰かの心に刺さるものを届けたい」という真直ぐな思いが感動的。演者の方も芝居が上手く、アニメも感動的でした」

「私も観ましたが、面白かったですよ。 仕事への情熱も伝わって来ましたし、劇中のアニメ2作品も観たいと思いました。(特にサバクの方) 前半は共感しにくかったのですが、後半は泣きながら観ていたほどです。 同じくアニメ制作の内情を描いたアニメ「SHIROBAKO」を思い出しましたが、それとは違った視点で楽しめました。 ただ皆さん言われてますが、このタイトルだと、原作を知らない人(私も)は、どうしても「派遣」と勘違いしがちでしょう。 観れば「覇権」であることは理解できますが、観る前に伝わらなければ意味がないと思います。その辺りをもっと前面に打ち出したPRが重要だったのではと、残念です。 広報の力を再認識させられました。」

「このコメント欄見ていても分かるんだけど、観客の主要層が40代以上の中年から高齢者なんだよね。ただ、東映はキャスティングも宣伝も、若い女性をターゲットに展開していたらしい。つまり、戦略が全く効果を発揮していない。高齢層がいくらSNSで口コミを広めても、その効果の限界は目に見えている。この映画の全体を統括する企画プロデュースは、あの「大怪獣のあとしまつ」と同じ須藤プロデューサー。大怪獣も、宣伝の仕方によっては少しは観客ウケも良かっただろうし、須藤Pの戦略方針が毎度間違っているのではないかと思う。今作は東映主導の、東映の利点を最大限に活かした企画なのにもったいない。ちなみに自分は、予告編を見て公開前から楽しみにしていて、本編もオールタイムベストに入るぐらい気に入った大学3年生の映画ファン。
こういう良作がヒットしないのは本当に悔しい。」

Hulu

おすすめの記事