踏切横断時にクルマの窓を開ける理由に納得

なぜ?教習所では踏切横断時に「クルマの窓を開ける」と教える本当の理由に納得

教習所に通うと、様々な安全に関するルールを教わります。

しかし、実際にそのとおりにしている人が少ないにも関わらず教わることがたくさんあります。

その一つが「踏切を通過する時に窓を開ける安全確認」です。

教習所では、踏切を通過する際、手前の停止線で一旦停止し、窓を開けて左右の安全を確認するように指導されます。

窓を開ける理由としては、電車の往来の音を聞くためで、警報機の音を聞くためではありません。

警報機が設置されていない踏切も存在するからです。

とはいえ、免許を取ってから車を運転するようになると、ほとんど窓を開けている人は少ないのが現状です。

なぜ窓を開けるように指導しているのでしょうか。

道路交通法には「窓を開ける」という記載はないが……

そもそも道路交通法には、「車両等は、踏切を通過しようとする時は、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した上でなければ進行してはならない。」と記載されています。

また、「信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行できる。」とも記載があります。

しかし、窓を開けてくださいとは一言も記載されていません。

目視だけではなく耳でも確認

都内の教習所では、踏切通過時の安全確認をどのように指導しているのか、現役教官に取材してみると次のような回答が返ってきました。

「都内はほとんどの踏切で警報機が設置してあります。しかし、左右の見通しが悪い場所も多くあります。そのため、電車が来ているのかを目視だけでは把握できず、確認が不十分です。

さらに、何らかの理由で、警報機が故障していて、電車が来ているのに警報音が鳴らず、遮断器が下りていないという万が一のケースも想定されます。

路上検定では踏切を省略していますが、所内のコースを走る仮免検定では、必ず踏切を通過します。例え、道路交通法に記載がなくても、電車の往来を目と耳で確認するという意味で窓を開けるという指導を徹底しています。」

つまり、電車が来ていないかを警報機だけで判断するのではなく、実際に近づいてくる電車がいないか目と耳で確認することが重要で、そのために窓を開けるということです。

検定では踏切を横断しない

電車の往来の多い地域の教習所では、路上の検定で踏切を通過することはほぼありません。

多くの人も教習所でも路上の検定コースに踏切は含まれていないことに気がつくはずです。

電車が人身事故などで踏切内で停車してしまえば、その後数時間に渡って踏切は通行不能になります。

路上検定がその日のうちに終わらなくなってしまう可能性もあるからです。

ただし、検定コースにないから、法律にないから、誰もやっていないからやらないのではなく、安全を第一に考えた時、常に最悪の事態を想定しておくことが重要です。

電車が来ているのに、遮断器が下りていなかったらと考えると、かなり恐怖です。

また、車内で大音量の音楽をかけていると警報音どころか外の音は全く聞こえません。

ほんの少し窓を開けるだけでも外の音がよく聞こえるようになります。

車を運転するということは想定外の連続です。最悪の事態を想定しておけば、踏切通過時に自然と窓を開けて音を聞くことが習慣化するかもしれません。

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