強制保険の「自賠責」があるのにナゼ？
クルマで「任意保険」が必要な理由を「わかりやすく」ご紹介。
原付バイクから大型バスまで、日本の公道で人力以外を用いて走る車両は、すべて自賠責保険に加入する義務があります。
その一方で、多くのユーザーは任意保険にも加入しているのです。
自賠責があるなら二重に保険に入らなくてもよさそうなものですが、任意保険への加入が推奨される理由とはどんなものなのでしょうか。
目次
自賠責保険の対人補償は最大3000万円まで
その疑問は、自賠責保険の補償内容を知れば氷塊します。
シンプルに記すと、自賠責保険というのは対人事故における相手方への補償だけの保険であり、基本的には被害者救済の意味合いが強いのです。
具体的には、以下にあげる3つの補償内容しかありません。
- 傷害による損害補償（治療費など）：限度額120万円
- 後遺障害による損害補償：限度額4000万円
- 死亡による損害補償：限度額3000万円
とはいえ、被害者への補償が自賠責保険の限度額内で収まるとは限りません。
後遺障害や死亡についての補償が裁判の末に億単位となってしまうこともあります。
そうなると、自賠責保険でカバーできない分は自己負担となってしまうのです。
そこで任意保険に加入しておく必要があるという話につながります。
任意保険の対人補償というのは、あくまでも「自賠責保険の支払額を超える部分」についてカバーするという仕組みになっています。
任意保険に入っているから自賠責保険に加入しなくてもいいというわけにはいかないのです。
たとえば、死亡事故を起こしてしまい被害者遺族に1億円の補償をするとして、3000万円は自賠責保険から、残り7000万円が任意保険から支払われるということになります。
逆にいえば3000万円以下の補償金で適切と判断された場合は、任意保険からの支払いは不要です。
それでも、それなりの交通事故を起こした場合は、任意保険からは他の補償が支払われていることが大半でしょう。
もうさ、車とバイクの任意保険を義務化しちゃえよ。それか、自賠責と任意保険を合体させた新しい保険を義務化させるとかさ。
以前、DMで
「任意保険入れない人がバイクに乗ったらアカンのか？」
と噛みつかれた事があったけど、
答えは「YES」だっての??— Jun (@jun_biker) October 5, 2021
万が一の事故で自分を守るためにも任意保険に加入すべき
自賠責保険は対人の補償のみです。
自分を含めた搭乗者や車両、またぶつけてしまった相手の車両や各種設備など対物賠償といった補償は任意保険でカバーするしかありません。
たとえば自損事故でガードレールに接触してしまったようなケース。
ガードレールの修理は、ぶつけてしまったドライバーの責任であって、10万円以上の修理代が請求されます。
まして、電柱や信号機などを倒してしまうと100万円単位での請求がやってくるでしょう。
もし任意保険に入っていないとすれば、全額自己負担となってしまいます。
そんな高額な補償をいきなり言われても現実的に払えないというドライバーも少なくないでしょう。
さらに店舗などにぶつけてしまった場合には休業補償も請求されます。
そうなると億単位になるケースも考えられます。
そのために任意保険の対物賠償というのは無制限に設定しておくのが吉。
もちろん、いわゆる自爆事故では愛車の修理も必要で、そのお金も用意しなくてはなりません。
そうした時にも任意保険で車両保険に入っておけば、設定額まではカバーされるのです。
そのほか、自分自身を含めた搭乗者への補償も任意保険ではつけることもできます。
示談金は、相手の任意保険の会社が担当すると思いますが、基本資金は自賠責の枠から先にとります
通院一回確か4200円で月にある回数越えないと二倍の8000くらい×日数を自賠責枠でとります
半年位すると保険きりを打診してきますが、まだむち打ちあるなら突っぱねないといけません— やるっつえぶらっきん (@7Y8k3d17SozCE0w) December 7, 2021
自分で補償内容を設定する
ただし、任意保険というのは自分で補償内容を設定しなくてはならない仕組みです。
補償内容を抑えれば保険料は安くできるのですが、いざという時に役に立たないのでは保険に入る意味がありません。
事故の相手と揉めたときのことを考えると弁護士特約をつけておきたいし、また無保険車との事故をカバーする特約なども設定することができます。
そのあたりのベストな設定がわからないという人は、しっかりとした保険代理店でスタッフと相談しながら決めていけばいいですし、どんな補償が必要なのか熟知しているベテランであればオンラインで申し込めるタイプの自動車保険で納得いく補償内容にするというのもいいでしょう。
いずれにしても、自賠責保険が義務だから任意保険に入らなくても大丈夫というのは、間違った認識です。
万が一の事故に際して、自分を守るためにも、適切な内容の任意保険に加入すべきです。
大体の保険は配達中の事故に対応してないんで自賠責を越える事故に遭遇した時に人生詰んじゃうんで仕事中の事故に対応してる任意保険に入ってた方がいいですね。弁護士費用特約とかも付いてるし(｀・ω・´) pic.twitter.com/ta5pKPDEeC
— food_tabitabi (@food_tabitabi) December 6, 2021
ネットの声
「対人、対物無制限は最低限必要だと思う。自車やら自分、同乗者への補償は好きにすればいいと思うけど。これすら負担できないっていうなら車に乗らないで欲しい。無保険保証なんてフザけたプランもあって私も入れてはいるけれど、本来おかしな話だと思う。なにかやらかしたら全額返済するまで強制労働だとかいう法律だったら別だけど。」
「自賠責保険は余裕資金（積み立て金）が相当あるはずで、補償額を上げるべきで、任意保険については支払い金額をその分値下げすべきです。その方が負担が少なくなるような気がします。まさか、自賠責保険の余った分、別のところに使っていないですよね・・・・。」
「任意保険に加入しない運転手の考えが分からない。自賠責は、限度額があり示談まで自分ひとりで出来ると思っているのでしょうか。あちらこちらへ証明やらなんやら書類を揃えなければならないし。時間と労力を考えれば、掛け金から更に金額が発生する事になるかと思いますが。」
