科学者も勧める週に1回は食べたほうがいい食材

科学者が「週に1回は絶対食べて」と勧める植物性食品4選、健康にいい理由や料理法も伝授

野菜や果物が体にいいことはよく知られていますが、仕事や学業が忙しくて野菜不足気味なのが実情だという人は多いはず。

そこで、オーストラリアのニューカッスル大学健康医学部で栄養学を教えているクレア・コリンズ氏が、数ある植物性食品の中でも特に健康的で、使える料理の種類や食べ方の幅も広い食材を4つ選び出して解説しました。

トマト

トマトには、ビタミンCやカロテノイドの一種であるリコピンが豊富に含まれており、いずれも優秀な抗酸化物質として知られています。

2020年に発表された研究では、大玉のトマト1~1.5個相当のトマト製品またはトマトジュース1~1.5杯を毎日・約6週間摂り続けた人は血中の中性脂肪が減少していたほか、総コレステロールや悪玉コレステロールの値が低く、善玉コレステロールの値が高くなっていたことが確かめられました。

また、リコピンと血圧の関係に関する論文11件をまとめた2021年の研究では、トマト製品を摂取すると収縮期血圧、いわゆる上の血圧が大きく低下することが判明しています。特に高血圧の人は収縮期血圧と拡張期血圧の両方が低下するとのこと。

さらに、合計26万人の男性を対象とする30件の研究をメタアナリシスにより分析した2018年の研究では、調理済みトマトやトマトソース、その他のトマトベースの食品の摂取量が多い人ほど、前立腺がんの発症リスクが低いことも判明しました。

トマトはさまざまな食べ方がありますが、コリンズ氏が勧めているのはトマト缶を常備してパスタソースやキャセロール、スープにすることです。

コリンズ氏は「トマト缶と赤唐辛子をオリーブオイルとバルサミコ酢で炒めてから、チリペーストやお好みのハーブをスプーン1杯加えてピューレ状にしてオリジナルソースを作り、冷蔵庫で保存するといいでしょう」と述べています。

カボチャ

カボチャには、カロテノイドの一種であるβ-カロテンが含まれており、体内でビタミンAに変換されることで目・皮膚・肺・腸の維持や抗体の産生に使われます。

ビタミンの摂取量と、疾患や死亡リスクの関係について調べた論文69件をメタアナリシスで分析した2018年の研究では、カボチャやニンジン、サツマイモといったβ-カロテンが豊富な食品の摂取量が多い人は、摂取量が少ない人より10年以上の追跡期間の中で冠動脈性心臓病、脳卒中、その他の原因で死亡する相対リスクが8~19%低いことが分かっています。

コリンズ氏が勧めるカボチャの食べ方は、パンプキンスープです。

また、コリンズ氏はカボチャ焼きのレシピも提案しており、「オーブンを180度に熱して、カボチャをくし切りにし、オリーブオイルをかけて黄金色になるまで焼きます。

焼く前に、切ったカボチャを電子レンジで2~3分加熱すると早く火が通りますよ」とコメント。

キノコ類

菌類であるキノコは厳密には植物ではありませんが、強力な抗酸化作用を持ち栄養素が豊富なので健康の維持に効果的な食材です。

キノコと健康に関する17件の論文をシステマティックレビューとメタアナリシスにより分析した2011年の研究によると、キノコをよく食べる人はそうでない人に比べて、あらゆる種類のがんの発症リスクが34%も低いとのこと。

なお、キノコの摂取量が多い人は、「1日にマッシュルーム1個(約18グラム)以上を食べている人」と定義されました。

マッシュルームを使った料理としてコリンズ氏が勧めているのは、マッシュルームとベビーほうれん草の炒め物です。

コリンズ氏によると、スクランブルエッグやポーチドエッグを載せたトーストにこの炒めものを添えることで、おいしい副菜として活躍してくれるとのことでした。

オーツ麦

オーツ麦、特に精製されていないオーツ麦は血中コレステロール値を下げる水溶性食物繊維であるβ-グルカンが豊富な食材です。

オーツ麦由来のβ-グルカン約3.5グラムを含む食事を被験者に毎日摂取させた2016年の研究では、摂取グループは対照グループに比べて悪玉コレステロールの値が有意に低いことが示されました。

また、全粒粉のオーツ麦と精製された穀類について比較した11件の実験をまとめた2021年の研究では、全粒粉のオーツ麦や厚めのロールドオーツを食べたグループは食後の血糖値の上昇やインスリン反応が有意に低いことが分かりました。

これは、加工度が低いオーツ麦は、消化吸収が穏やかなのが理由だと考えられています。

 

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