ライオン一家…ハンターはメス!オスは何してる?

オスは見張り役でメスだけで獲物をしとめる

【眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話】

メスのほうが狩りに向いてる

ライオンは、ネコ科の動物としては珍しく、プライドと呼ばれる群れで暮らします。

プライドはオス1~3頭、メス1~5頭とその子どもからなり、狩りも群れで行います。

ライオンが狙うのは、アフリカスイギュウやヌー、シマウマやキリンなどの大型草食動物。

チームで結束して獲物を狙い、自分より体が大きい獲物を倒します。

ライオンは瞬間最高時速80㎞ほどで走ることができ、動物の中でもかなりの俊足ですが、一方で持久力はないため、できるだけ獲物に近づき、一気にしとめる必要があります。

オスは体が大きくてメスより足が遅く、テリトリーを守るという別の役割もあるため、狩りの中心的な役割は主にメスが果たします。

その捕獲作戦は独特で、まず獲物を見つけるとメスの1頭が標的を目がけて一気に走り出します。

当然獲物は一目散に逃げますが、逃げた先には別のメスライオンが待ち構え、別の方向に踵を返すとまた別のメスが現れます。

このようにして獲物を囲い込み、最終的にはその鋭い牙で喉元や首に噛みつき、獲物の息の根を止めるのです。

オスの役割は??

ここまではほとんどメスの仕事で、オスの活躍の場はありません。

しかし、オスはメスがしとめてくれた獲物を食べるだけの“ヒモ”ではなく、先に食事を済ますと群れを見張るという立派な役目があります。

ハゲワシやハイエナなど、他の動物に獲物を横取りされないよう、メスや子どもたちが食事をしている間、オスが警護をします。

一般にライオンが狩りをするのは夕方や早朝だけで、 実働時間は1日2時間程度。1日の大半をダラダラ過ごし、狩りのためのエネルギーを温存しているのです。

眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話 今泉忠明(著) 日本文芸社 (2021/7/23) 935円

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著者について
今泉 忠明(いまいずみ・ただあき) 哺乳類動物学者。1944年、東京生まれ。東京水産大学U(現・東京海洋大学)卒業。国立科学博物館では哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現・文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現・環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加する。上野動物園の動物解説員、静岡県の「ねこの博物館」館長を務める。主な著書に『「もしも?」の図鑑 身近な危険生物対応マニュアル』(実業之日本社)、『巣の大研究』(PHP研究所)、監修に『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(高橋書店)などがある。

 

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