三河雑兵心得 足軽仁義 井原忠政 (著) 双葉社 (2020/2/11)

時は戦国、所は三河。

喧嘩のはずみで人を殺め、村を出奔した18歳の茂兵衛は、松平家康の家来である夏目次郎左衛門の屋敷に奉公することになる。

だが、折しも一向一揆が勃発。

熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は「君臣の縁は一代限り。

弥陀との縁は未来永劫」と、一揆側につくことを決意する。

武士人生ののっけから、「立身出世」どころか国主に弓を引く「謀反人」になってしまった茂兵衛。

「主のおかげで一向一揆側についた足軽の悲喜こもごもを描いた喜劇的作品です。あまりにも身分が低いので手柄を立ててもそれは主のもの。しかも負け戦となれば全てはご破算となってしまう有様。しかしこの足軽はそれを乗り越えて見事なまでの(ほんのちょびっと)出世を手にします。そして時代が時代なだけにさらなる功名を目指しての出発が始まります。」

「コロナの影響で、図書館から本を借りることが出来ず、たまたま手に取った本でしたが、ほんわかした文章、内容で読んでいて心地好さを感じました。欲をいうと、人情味を感じる場面がもう少しあればいいと思います。また、同じような人物の名前が下の名だけ書かれているところが結構あり、読んでいて誰かが分からなくなりました。もう少し名前の付け方に工夫があればいいと思います。」

「戦国の城跡に興味があり、近所の城跡巡りを趣味にしています。本作の野場城での籠城戦は主人公の足軽としてのスタート地点です。地方の小領主の小さな城での攻防は自分が普段散策している近所の小さい城跡や砦跡を彷彿とさせ、事前にこの時代の知識を蓄積していた。こともあり、スルスルと脳内に情景が描かれ、久々に気持ちの良い読書ができました。
続刊も読みましたが読みやすく面白いです。どんどん刊行していただき、きっちり完結してほしいです。」


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