住宅営業マンぺこぺこ日記 屋敷康蔵 (著) フォレスト出版 (2022/5/21) 1,430円

「同僚が次々辞めていく仕事」

住宅営業マンが目撃する買い手と売り手の熾烈な攻防戦

――ブラック業界の、ブルーな私

われわれは会議や朝礼のたびに今月の「目標」を発表させられる。

「今月の目標は2件の5000万、必ずやります! 」

それを聞いた猫沢店長は、

「よし! 絶対やれよ。自分の言葉に責任持てよ! やれなかったらどうなるかわかってんだろうな! 」

こうしていつのまにか「目標」は「ノルマ」にすり替わるのだ。

――本書に書かれていることは、すべて嘘偽りのない、働く中高年のリアルな姿である。

もくじ
まえがき――群を抜いたハードワーク

第1章 住宅営業マンの波乱の日々
某月某日 採用面接 : この業界に求められる人材とは?
某月某日 弱肉強食 : お客を取るか、盗られるか
某月某日 キャンペーン : 〝今月だけの特典〟の正体
某月某日 景品ハンター : ハズレ確定のお客たち
某月某日 社風 : ノルマはない、目標はある
某月某日 見せしめ : 成績不振の営業マンは…
某月某日 無利息融資 : ドキドキする契約金の話
某月某日 一流メーカー、三流メーカー : 住宅をどこで選ぶ?
某月某日 この仕事にしがみつく : 住宅営業マンになったワケ

第2章 カネになる客、ならない客
某月某日 自由設計と規格設計 : 「ものは言いよう」の悲劇
某月某日 お金のニオイ : お客の見分け方
某月某日 未経験可? : 棚からボタ餅
某月某日 車検切れ : オジサンたちの短距離走
某月某日 衝動買い : 「われに返る」その前に
某月某日 囲い込み : スーパー短期間クロージング
某月某日 住宅ローン返済 : 私の厳しいフトコロ事情
某月某日 時の止まった部屋 : 愛する娘の生きた証

第3章 ブラック業界の、ブルーな私
某月某日 営業会議 : ブラック企業の社内事情
某月某日 もう限界です : 辞めていく社員の言い分
某月某日 クレーマー : 朝から晩まで年中無休
某月某日 洗礼 : 敵意むき出しの新人教育
某月某日 店長試験 : 「非常識」の烙印
某月某日 開運グッズ : トップ営業社員の秘密
某月某日 いつもの一日 : これが住宅営業マンの日常
某月某日 いい歳こいて : 52歳同士のつかみ合い
某月某日 死角 : 住宅展示場、飾り付けは明け方まで
某月某日 ソフトボール大会 : 苦役のレクリエーション
某月某日 悲劇 : 建て前上の労務管理

第4章 住宅業界、ここだけの話
某月某日 姿なき妨害者 : 売れない土地とその真相
某月某日 値引きの裏側 : 品質に違いはあるのか?
某月某日 病んでいく : 「もう、こんな生活は嫌だ」
某月某日 悪臭 : 営業マンはニオイで嫌われる
某月某日 振り込め詐欺 : 銀行付き添いという業務
某月某日 銀行審査 : 住宅ローンの審査が通る前に
某月某日 仕事の邪魔 : 毎日見に来る〝現場監督〟
某月某日 さようならノルマ : 携帯の電源を落とした日

あとがき――「痛み、つらさ」と「喜び、達成感」

家を建てる前に読みたかった。面白い
以前、私も家を建てた。一生で一番高価な買物。当然、こちらも慎重になり、この本の通り、住宅展示場で接客した著者のよう営業マンも必死だった。いま思い返すと、営業マンの一言でかなり心を揺さぶられたり、契約を急がないと、と焦ったりした。でもこれが彼らの巧妙で計算ずくの営業トークだったと今回、本書で知って驚いた。また営業マンの方も、客が本気なのか、資金調達できるのか、実はこちらを値踏みしていたらしい。家を建てる前にこの本を読んでいたら全然違った。今から家を建てたい人も読んで絶対に損はないと思う。
逆に住宅メーカー側にとっては、業界の裏話が満載で迷惑な本だと思う。それに泣ける話もあり、読み物としても実に面白く、最後までハラハラした。
確かに、過酷でブラックな業界。ノルマ、クレーム、また同僚までもライバルで離職率もかなり高いらしい。
この本、きっとタマゴホームの関係者も読んで慌てるに違いない。家を建てる気があるなら、本書を熟読してタマ(ゴ)ホームでの検討もありあかも。
癖のある支店長が出てくるのだが、この人の業界用語が面白くてなぜか憎めなかった。頭から尻尾まで面白く読んだ。」

久々の一気読み
このシリーズは過去にも何冊か読んだことがあるが、今回も期待を裏切らない面白さ。いや、面白いなどとひとくくりには出来ない衝撃的な内容。住宅営業マンの世界の過酷さから、裏話など、今回は日記と言ってもかなり色々なエッセンスが散りばめられているのでこれから家を買おうと考えてる人も読んでおいた方がいいかもしれない。正直、下手な実用書より分かりやすくかなり勉強になる部分もある。本文の下についでの様に書いてある用語の解説がまた面白い。ぺこぺこ日記というタイトルから、ただ辛い日常が書かれたものと思いきや感動的な話しから笑える話しまでとスピード感があり、久々に一気に読んでしまった。当時の著者にとっては必死にもがいていた日常かもしれないが、著者には申し訳ないが正直、 読みながら声に出して笑ってしまった。」


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