ちえもん 松尾清貴(著) 小学館 (2022/1/7) 1,012円

歴史小説の新鋭による驚くべき書き下ろし。

単行本発売時、各紙誌が大絶賛した傑作歴史長編。

寛政十年(1798)十月、長崎湾の沖合で巨大オランダ船が座礁した。

船は底部を大きく 損壊して浸水。

浜近くへ曳航したが再び座礁、沈船となった。

オランダ商館は長崎奉行所に積み荷の陸揚げを要請。

奉行所は町方村方にまで浮かし方の工夫を募った。

そこへ名乗りを上げたのは、周防の小村で生まれ、友とともに「自由」を追い求めたかつての少年の一人だった。

「浜でのささやかな幸せなど、浦から離れられん跡取りたちに呉れてやれ。俺たちげな食み出し者は、この浦でろくな生き方ができんぞ。もっと欲張れ! 和主を誘うたのは、跡取りでなかったからじゃ。浦のくびきから自由じゃけ誘うた。いずれ、漁場を得る。櫛ヶ浜よりもっと大きな漁場じゃ。もっともっと稼げる浦の網元になれ」

歴史作家・飯嶋和一氏は、本書に特別に寄せた推薦文でこう語った。

「中心人物はいずれも海村の次三男である。家を継ぐ長男以外は『余計者』であり、穀潰しでしかない。‥‥既存の頑迷な社会システムに屈従して生きるのか。あるいはそれをくつがえすのか。‥‥くつがえそうとすれば、かなりの圧力が社会から加えられることになる。が、必要なのは勇気と知力だとこの小説家は語る。はかなく脆い夢や希望ではない、と

そしてまた、

「この小説家は初めて過去の歴史的な素材を描くに当たって、あえて無名の、しかも地方の庶民を選択した。‥‥むろん負荷も、また力負けする危険も高い」

日本初、巨大沈船引き揚げに成功した男の生涯。

歴史小説の新鋭による驚くべき書き下ろし。


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