ハーバードの日本人論 佐藤智恵(著) 中央公論新社 (2019/6/6) 968円

ハーバードが解き明かす「いかにも日本人らしい」の真相

判官びいきは日本人の特徴か。
日本人はなぜロボットを友達だと思うのか。
なぜ細部にこだわるのか。
本当に世襲が好きなのか。
なぜものづくりと清掃を尊ぶのか。
なぜ義理を重んじ、周りの目を気にするのか。
なぜ長寿なのか。
そもそも、日本人はどこから来たのか……。

いまだに日本は世界の不思議だ。世界最高の学び舎、ハーバード大学の10人の教授のインタビューを通して、日本人も気づかなかった日本の魅力を再発見できる一冊。

《内容例》
■第1講義
【メディア論】 日本人はなぜロボットを友達だと思うのか
――宮崎駿と押井守が描く「テクノロジーと人間」
ハーバードで日本映画を学ぶ意義/黒澤明、小津安二郎は「日本的」ではない/北野武の映画が象徴する「海と日本人」/『もののけ姫』を題材に環境問題を考える/なぜ日本のアニメは国境を越えて愛されるのか

■第2講義
【美術史】 日本人はなぜ細部にこだわるのか
――天才絵師、伊藤若冲の絵画に宿る生命
アメリカを熱狂させた若冲/日本人の美意識と技術力を極めた若冲

■第3講義
【遺伝学】 日本人はどこから来たのか
――古代DNA解析で迫る日本人の起源
日本人のDNAの特徴は「同質性」/世界の遺伝学者が注目する縄文人のルーツ

■第4講義
【分子細胞生物学】 日本人はなぜ長寿なのか
――平均寿命の明暗分ける日米の食生活
日本人が酒に弱いのは適応進化/魚、大豆、海藻が長寿をもたらす/日本人はなぜ食にこだわるのか

■第5講義
【比較政治学】 日本人は本当に世襲が好きなのか
――世襲政治家が異常に多い国・日本
由民主党の長期政権を可能にした4つの要因/世襲が日本にもたらす功罪

■第6講義
【社会学】 日本人はなぜ「場」を重んじるのか
――タテ社会の人間関係と働き方改革
「働き方改革」で日本人の価値観は変わるか/「副業・兼業の促進」に驚くハーバードの学生/日本人は他者に対する警戒心が強い/転職に役立つのは「友人の友人」

■第7講義
【マネジメント】日本人のオペレーションはなぜ簡単に真似できないのか
――テスラ、GMがトヨタから学ぶべき現場文化
日本人の国民性と経済成長の相関性/電気自動車メーカー「テスラ」の苦悩/研究への投資をやめなかったソニーのV字回復/長寿企業の強みを発揮する「任天堂」と「東レ」

■第8講義
【宗教史】日本人はなぜものづくりと清掃を尊ぶのか
――世にも宗教的な日本人
ものづくりの精神を支える神道と仏教/なぜ日本企業には神棚があるのか/禅に傾倒したスティーブ・ジョブズ/世界が驚嘆したワールドカップでの清掃

■第9講義
【日本文学】日本人はなぜ周りの目を気にするのか
――サムライから学ぶ人生論
サムライとハーバードの学生の共通点/「たそがれ清兵衛」はサラリーマンだった/江戸時代の武士が何よりも重んじたのは「世間体」/「判官贔屓」は日本人の特性か

■第10講義
【比較文学】日本人はなぜ物語の結末を曖昧に描くのか
――村上春樹と東野圭吾が世界で愛される理由
『吾輩は猫である』に触発された魯迅 /『雪国』が韓国で人気を集めた理由
/「私のために書いてくれている」と思わせる村上春樹

「ハーバード大学のドクターの皆さん、素晴らしい研究を続けておられますね、日本人よりも日本のことをよく知っておられるので感心しました。我々のかねてからの疑問に答えて戴き有難うございます。何故、ハーバードではこのような日本人研究をされている人が多いのですか。「ハーバードの日本人論」に加え北川智子著「ハーバード白熱日本史教室」を読み更にハーバードの雰囲気を知りました。小生、若い時にこのことを知ったならばハーバード大学にチャレンジしたかもしれませんね。残念ながら小生今年で喜寿を迎えました。」

「本書を読んで「文化」というものが私達の生活、行動、映画、小説、芸術など至るところに現れているのだと感じることができ、様々な国の文化に興味を持てるようになった。」

「『鉄腕アトム』『ドラえもん』『Dr.スランプ』のように、人間型ロボットを友達として描く作品が日本には多い。なぜそうなのか。それは、日本では「すべてのモノには魂が宿る」という考え方があるからだ、という説は興味深いと感じた。また一方で、アメリカ人は「奴隷制の歴史を彷彿させる」ため、人間型ロボットに対して嫌悪感を示す人さえいる、という話も面白かった。たしかに、アマゾンエコーもグーグルホームも人間のように話すが、人間の形はしていない。そして Pepper は日本企業が生み出したもので、やはり人間型なのである。」


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