現代人のためのイスラーム入門 ガーズィー・ビン・ムハンマド王子(著)、小杉泰(翻訳)、池端蕗子(翻訳) 中央公論新社 (2021/7/19) 2,970円

クルアーンからその真髄を解き明かす一二章

ヨルダン国の王子にしてイスラーム学者である著者が、クルアーンを通して、世界の人々に向けて優しく語りかけるイスラームの神髄。

イスラーム世界の中心部からのメッセージ。

目 次
読者の皆さまへ (ガーズィー王子)
序文 (アブドゥッラー二世・ヨルダン国王)
謝辞 〔原文での〕引用文の翻訳について
著者について 日本語訳について
著者まえがき
第1章 宗教とは何か
第2章 イスラームとは何か
第3章 あなたたちの主は誰か
第4章 なぜ神は人を創ったか
第5章 楽園と火獄とは
第6章 聖典クルアーンとは何か
第7章 預言者ムハンマドとは誰か
第8章 「心」とは何か
第9章 現世の生活とは何か
第10章 シャリーアとは何か
第11章 ジハードとは何か
第12章 統治とは何か
あとがき――幸せとは何か
付録:イスラームの基本教義
すべてのムスリムに問いたい三つの質問
「イスラーム国」という危機の深層
索引 基本用語集
訳者解説

著者について
ガーズィー・ビン・ムハンマド
1966年生まれ。ヨルダン王国王子。現国王アブドゥッラー2世の弟ムハンマド・ビン・タラル王子の子息。ヨルダンの王位継承権の18番目。ヨルダン国王宗教・文化問題主席顧問。アズハル大学とケンブリッジ大学で博士号を取得(哲学博士)。王族でウラマー(イスラーム指導者)をかねる稀有な存在。穏健派イスラーム思想家として重要な役割を果たしている。著書『クルアーンにおける愛』は、これまでに10版を重ね、多言語に翻訳されている。

小杉泰
1953年、北海道生まれ。1983年、エジプト・アズハル大学卒業。1985年、国際大学中東研究所主任研究員・主幹助教授、1997年同大教授、1998年京都大学東南アジア研究センター教授、1998年、同大アジア・アフリカ地域研究研究科教授。2019年、立命館大学立命館アジア・日本研究機構教授。1999年、京都大学法学博士。『現代中東とイスラーム政治』で、1994年度サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞。2012年、紫綬褒章受章。

池端蕗子
立命館大学衣笠総合研究機構・プロジェクト研究員。日本学術振興会特別研究員

「2021年7月25日に日本でレビュー済み
①懇切丁寧な説明で、本書を読めばイスラームに対する偏見・誤解が解ける本である。
②クルアーンの教えを信じ、正しい信仰と実践的を行うムスリムはテロ行為は行わないのである。イスラームは平和を説く宗教である。
③ジハード(聖戦)は、迫害からムスリムを守るための戦争である。かつてムハンマドはメディナにヒジュラ(聖遷)し、迫害する異教徒とその指導者に勝利してメッカを征服した。
④イスラーム国がテロ行為を行い、虐殺をほしいままにした。彼らはオスマン帝国領の復興を宣言し、ジハードを主張したが、それば明らかにイスラームに反する行為である。
⑤一神教の成立には迫害と異教徒との戦争が避けられない。なぜ一神教でなければならないか?
これは難問である。
本書がイスラーム理解の一助となる。
お勧めの一冊だ。」


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