5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。
近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。
人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。
偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)
出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」)
誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。
『リカバリー・カバヒコ』
青山さんの作品は、いつも等身大の自分に優しく寄り添ってくれる😌自信がなくて、時には自己嫌悪に陥るような自分でもこのままで良いんだと背中を後押ししてくれるような。
長い年月、公園でみんなを見守ってきたカバヒコ🦛新たな第一歩を踏み出す小さな勇気をもらった。 pic.twitter.com/T6SOFBVk2d
— ななこ@読書🐻🍺📚 (@nanacoo16) February 13, 2024
「治したいところと同じところのカバヒコに触ると治るっていう、すごいわかりやすい内容で、それぞれの登場人物が立ち直っていくかんじ、青山美智子さんらしい、元気をくれるストーリーです。
色々なことが不安になったり、悪い方向に考えてしまったりするのは、想像力が豊かだから。想像力豊かな人は、相手の気持ちや痛みをわかってあげられる人。何かと考えすぎてしまう私にとって、すごく素敵な言葉でした。」「今年は青山さんの作品にハマり、たくさん読んできました。あぁ、こんなこと自分にもあるよね、というところがたくさんあります。登場人物が微妙に絡まり合いながらストーリーが進んでいくのも面白い。」
「一つ一つのストーリーは独立しているのですが、全体の登場人物が繋がっているという、不思議な物語でした。カバヒコという、何もいわない遊具を通して、人のやさしさが伝わってきました。」
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