身体が「ノー」と言うとき ガボール・マテ (著)、伊藤はるみ (翻訳) 日本教文社 (2005/9/15) 2,310円

無意識のうちに抑圧された感情と、自己免疫疾患他、さまざまな病気との関係を、患者へのインタビューを中心に解き明かす

患者たちの語りから垣間見える、無力でストレスに満ちた子供時代。

環境に自分を合わせ、生き延びるために無意識にとった戦略が病気の元となるとは……。

抑圧された感情がいかに自己免疫疾患をはじめとするさまざまな症状を引き起こすかを、患者へのインタビューを中心に“精神神経免疫学”の観点から解き明かす。

著者が患者に行なったインタビューの他、レーガン元大統領、フォード元大統領夫人、スティーヴン・ホーキング、ルー・ゲーリック、ジャクリーヌ・デュ・プレ(天才チェリスト)など有名人のエピソードも多数掲載。

しっかりした医学的知見と心理学的的洞察に基づいた説得力のある一書。

目次
第1章 医学のバミューダ三角海域
第2章 いい子すぎて本当の自分を出せない女の子
第3章 ストレスと感情コンピテンス
第4章 生きたまま埋葬される
第5章 もっといい子になりたい
第6章 ママ、あなたも「がん」の一部なのよ
第7章 ストレス・ホルモン・抑圧・がん
第8章 何かいいものがここから出てくる
第9章 「がんになりやすい性格」は存在するのか
第10章 55パーセントの法則
第11章 単なる思い込みにすぎない
第12章 上の方から死んでいく
第13章 自己と非自己??免疫系の混乱
第14章 絶妙なバランス??人間関係の生物学
第15章 喪失の生物学的影響
第16章 世代を超えて
第17章 思い込みのメカニズム
第18章 ネガティブ思考の力
第19章 治癒のための七つのA

「いやだ!」「ノー!」と言わなければ、結局、身体がわたしたちの代わりに「ノー」と言い始めるだろう。

強皮症、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症等の自己免疫疾患をはじめ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、がん等の病と、成長の過程で無意識のうちに抑圧された感情との関係を、患者へのインタビューを中心に解き明かす。

「洋書にありがちな訳した後の読みにくさもなく、すらすらと読めます。病は気から。と昔から言われてはいたものの、心と身体の問題をわけて捉える現代の医学ではそれを証明する事はほとんど無かった。著者は心理学的な観点から患者の子供時代の抑圧された感情に焦点を当て、身体におこった病気との紐付けをしてゆく。患者たちは、子供の頃から当たり前に感情を抑圧しているため、その抑圧した状態を”本当の自分”として認識している場合がほとんどだで、それにより、大人になってから大病を患っている。この本では、どのような抑圧があるとどのような反応が起こるかという例が多数紹介されているので、読者自身の体験とも照らし合わせやすい。今年読んだ中で1番記憶に残る一冊です。」

「抑圧された感情がダメなのに、なぜポジティブブームが流行っているのかが謎。この本にはアレルギーやガンは「キープユアスマイル笑顔」によって押し込められたマイナス感情が暴走して体をむしばむと書いてある。ガンやアレルギーを発症してしまう人の抑圧された感情の源はエナジーバンパイア的な人間たちである。彼らはバンパイアにに搾取されてしまう「気の弱くて気立てのいいひとたち」だ。そーゆー生き方をしてるかぎり、搾取されてしまう。」

「まだ読んでる途中だが、もの凄い内容の本。毒親の元に生まれて、自分を殺して親の期待に応えて生きる事の残酷な末路がありありと描かれている。子供を意のままに支配したい親、子供を有名大学に入れたいとかの親は、子供に読ませてはいけないだろう。逆に、中学生ぐらいの全ての子供には、読んでほしい本。感情を抑圧する危険がよくわかる。」


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