第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作です。
大学院で霊長類学を研究する季華が所属する研究室に、米国企業からコンゴでの道路建設に関するアセスメントへの協力依頼が舞い込む。
調査対象であるボノボの生息地を目指してコンゴの大地を進む調査隊。彼らは森の中から助けを求めにやってきた少年に出会う。
その矢先、調査地付近の村で人々が何者かに惨殺され――。
霊長類学の聖地で繰り広げられる、衝撃のパニックサスペンス!
ヒトとは――?
人類の本質に迫る問いにテンション高めで挑む人々のバチバチな生存競争(サバイバル)が秀逸!
――冲方 丁(作家)
「禁断領域 イックンジュッキの棲む森」
美原さつき刺激的、否、刺激過多の自然科学系パニックサスペンス。ミステリ要素は希薄ながら、正体判明してもなお勢いでページが進む充実っぷり。社会派の色合いも塩梅が絶妙
好きなジャンルに遊ぶ喜びに満ちた、このミス文庫グランプリ#美原さつき pic.twitter.com/T7HRhwcfAp
— thomath@読書垢∞ (@thomath9) March 19, 2023
「体裁は、「襲い来る未知の霊長類、アニマルパニックホラー!」だと思うのだが…
主人公はその一挙手一投足が身勝手極まりなく、不快で、全く感情移入できない。異常な探求心が唯一の長所と言えなくもないが、傲慢さと権勢欲が前面に出過ぎていて、これまた不快。そんな主人公の独白と、周囲の人間との、感情むき出し、下品なやりとりがけっこうな割合を占めていて、その「生態観察」を楽しむ物語と思われる、多分(笑)。」「第21回「このミステリーがすごい!」大賞、「文庫グランプリ」受賞作。
作者は大学院で環境動態学を専攻し、現在、衛生管理会社に勤務とのこと。
プライドが高く、こだわりとくせのある霊長類学者の面々はアフリカ、コンゴのフィールドに。
脳内のアーカイブを駆使して危機を脱出できるのか。
新種の霊長類を発見し、自然界の適応と進化を見出していく。
小説の狙いを読者へ的確に理解させ、追い打ちをかけていく勢いや、切り返し、伏線からのひねりがほしかった。」
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