向田邦子ベスト・エッセイ 向田邦子(著)、向田和子(編集) 筑摩書房 (2020/3/10) 990円

お人好しと意地悪、頑固と機転…

人間の面白さを描いた名エッセイ!

家族、食、旅、仕事、こだわりの品など、テーマ別に末妹が50篇を精選

幼いころから磨かれた観察眼と黙っちゃいられない正義感。

向田邦子の手にかかれば、ごく平凡に見える日常が鮮やかな色彩を帯びて動き出す。

考え抜かれた言葉選びと胸がすくどんでん返しは、まさにエッセイのお手本。

「姉のところには何故か面白いことが押し寄せてくる」と語る末妹が選んだ、家族、食、私、仕事のことから処世術まで。

ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。

解説 角田光代

「向田邦子は、まだ活躍中に航空機事故で早世したことが知られている。だから、このエッセイ集は彼女の妹、向田和子により編まれた。50編ほどの、それぞれまとまったエッセイであり読みごたえがある。それらがいずれも、単なる思いつきの短文ではなく、自分の実体験によるのだから、エッセイにしては重いという印象は免れない。むしろ評論的エッセイとでもいうべき作品群だろう。彼女がもっと永く活躍できたなら、評論家あるいは小説家に変身していたかもしれない。」

「自分のことを包み隠さず、正直に書いているところがいいと思う。特に「手袋をさがす」は、かつての上司が指摘されたことが図星であり、今後自分はどうして行こうかと葛藤するところが、向田邦子の人となりを言い表していると思う。」

「ドラマの脚本、小説、エッセイ、どれも秀逸です。ストイックでウィットで、笑いのツボをおさえておりますね。このエッセイはとてもリラックスして読めます。お勧めです。」


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