転がる検事に苔むさず 直島翔 (著) 小学館 (2024/3/6) 847円

窓際検事の逆転なるか!

夏の夜、若者が高架鉄道から転落し、猛スピードの車に衝突した。

自殺か、他殺か。判断に迷う刑事課長は飲み友達の検事、久我周平に助けを求めた。

出世レースから外れた久我は日の当たらぬ部署で罰金刑など軽めの事件ばかり扱う一方、遺体の検分には豊富な経験を持つ。

久我は靴の傷に他者の関与を疑う。交番巡査、新人の女性検事とともに若者の身辺を探っていくと、海を超えての怪しげな高級外車の取引が浮かびあがった。

法務検察内のパワーゲームにも巻き込まれながら、男の正体に迫っていく。

窓際検事の逆転なるか。

◎著者は、検察庁など司法を担当した現役新聞記者
◎解説は元最高裁判事の甲斐中辰夫氏
◎第3回警察小説大賞受賞作

真摯に正義を求める“生身の検事”がここにいる―――柚月裕子 氏激賞!

第3回警察小説大賞を本作で受賞し、高い評価を得た著者は、その後も豊富な取材経験をもとに次々と新作を発表しています。

本シリーズも、スピンオフとなる既刊『恋する検事はわきまえない』をはじめ、続刊が予定されています。

今後の著者の飛躍をご期待ください。

「苔むすどころか、ピカピカになりそうな展開。ついつい応援してしまう。私も転がり続けたい。」

「検事や警察官の職業人としての熱く真っ直ぐな心意気は、泥臭くて好感しか持てない。
根っからの悪人がいないため、それ故に読後は一抹のやるせなさを感じてしまい、著者の術中に嵌る。
随所に散りばめられた巧妙な伏線が、怒涛の勢いでテンポよく回収される後半に唸った。
数多のスピンオフが出ると嬉しい(特に、倉沢と有村の恋?の行方が気になる)。
ドラマなどの実写化にも期待したい。」

「あまり内容について書くとネタバレしそうなので、周辺部分を書きます。それぞれの登場人物の心をしっかり描かれてます。いつでも加害者、被害者になるのかな。加害者に悪意がないだけに・・・・・
浅草などの街並みが目に浮かび、東京勤務のころを思い出しました。スカイツリー、浅草寺などなど
久我さんが弁護士にならないと言うことは続きがあるのかなと期待します。有村さんと倉沢さんの行方はいかに(笑)」


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