女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説!
幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉――
「約束は守ったよ、褒めて」
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。
響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。
香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。
香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。
ベストセラー『孤狼の血』『慈雨』『盤上の向日葵』に連なる一年ぶりの長編!
「自分の作品のなかで、犯罪というものを一番掘り下げた作品です。執筆中、辛くてなんども書けなくなりました。こんなに苦しかった作品ははじめてです。響子が交わした約束とはなんだったのか、香純と一緒に追いかけてください」
――柚月裕子
教誨
柚月裕子女性死刑囚の最期の言葉の意味?
排他的な町で自己保身の人々が築き上げた事実に消された真相
真実を追う主人公は歴史の敗者を描く作家に似ている気が
事件を生んだ背景が哀しすぎる
防げたのではないかという想いが著者に書かせたのであろうかな作品
人格形成と育った環境か…#読了 pic.twitter.com/3Vq0zRUu1p— spica(すぴか) (@spica_book24) December 18, 2022
「これもまたスリラーですので詳細を書き記すことはできませんが、行くあてのないこれほどの「哀しみ」と「寂しさ」は受け入れがたいほどの余韻を残します。たとえいくつかの「何故」が解明されたとしても。」
「ミステリーを読み慣れている方なら、こういうオチだけど、騙された!と思いたくなる物だと思います。何となくこんなオチではないだろうかと読み進め、その通りになるので、何だか呆気ない幕引きでした。この作品は、物凄い重い作品なのかどうか、私には少し分かりません。」
「畠山鈴香という名前の方が私の中で頭に残っていた秋田県児童連続殺人事件。本書はその事件をかなりモチーフとしている。連日の当時のワイドショーの放送をおもいだす人であれば本書の見方も若干変わるか。閉鎖的な地域の息苦しさが伝わってくる作品。そしてこの事件のことをもう一度調べてしまう自分がいた。」
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