むかしむかしあるところに、死体がありました。 青柳碧人(著) 双葉社 (2019/4/17) 1,430円

昔ばなし、な・の・に、新しい!

鬼退治。

桃太郎って……え、そうなの<? br>大きくなあれ。一寸法師が……ヤバすぎる!

ここ掘れワンワン。埋まっているのは……ええ!?

「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解く全く新しいミステリ!

「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」

「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の全5編収録。

「誰もが知っている昔話、5編それぞれが良く考えられています。よくまぁ思いついたなぁと感心しつつも、一気に読めてしまう文章。そして読後の不思議な余韻。好き嫌いは別れるでしょうが、私にはツボでした。出来れは、他の昔話も書いていただきたいですね。あ~もっと読みたい!!」

「単なるアイデア勝負でないことは、作中に、これまで多くのミステリ作家が苦心して新しい趣向を生み出してきた要素が散りばめられていること。「アリバイトリック」「密室トリック」「意外な犯人」「倒叙ミステリ」などなど。過去の作品をよく研究しているな、と感じさせるものがありました。」

「私が感心したのは、「意外な犯人」。これは、これまでに数多くの作家が挑戦してきて、究極の「読者が犯人」が登場するに至り、もう「犯人の意外性」で驚くこともないだろう、と思っていたら、「この手があったか」という感じ。昔ばなしをベースにしているからこその趣向で、久々に驚かされた「意外な犯人」でした。今度は、日本を飛び出して、「世界編」で作品を作ってみたら、面白いものが出来るのではないでしょうか。」


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