夏の騎士 百田尚樹 (著) 新潮社 (2021/7/28)

あの夏、ぼくは勇気を手に入れたーー。

爽やかな感動が止まらない!

少年たちの成長と小さな恋を描く、百田版「スタンド・バイ・ミー」。

小学六年生の夏。ぼくと健太、陽介は、勉強も運動もできない落ちこぼれ。

だが『アーサー王の物語』に感動したぼくの発案で、三人で「騎士団」を結成。クラスメイトにからかわれながらも、憧れの美少女、有村由布子をレディとして忠誠を誓う。

彼女を守るため、隣町で起きた女子小学生殺害事件の犯人探しを始めたが――。

あの頃のみずみずしい思いが蘇る、ひと夏の冒険を描いた最高の少年小説。

「これは、誰にとってもかけがえのない少年時代をテーマとした作品である。
さて、少年時代をテーマとしたものなら、例えば歌なら陽水だろうが拓郎だろうが「帰り来ぬ夏の日々」を歌いあげて切ないに決まっている。しかし、百田さんの描く少年時代の日々、そしてその後は、私の予想とは一味違った!

帰国子女の美少女への憧れ、秘密基地、未だ犯人が分からない殺人事件、一人のレディに愛と忠誠を誓う「騎士団」の結成、と始まれば「過ぎゆく夏の日々への郷愁満載」とその気に浸りつつ読み進んだ私。
これは「スタンドバイミー」を思わせるストーリーと思いきや、百田さんは人を驚かせる事が楽しいという作者なのだろう・・・。勿論、本書は友情物語には違いないのだが、その予定調和をラストでまんまと覆し、読者を一級のエンターテインメントの百田ワールドへと導くのであった!
そして、読者に「勇気」について考えさせる作品だと思う。

余談・本書にも初恋が描かれているのだが、それはそれ、少年の日の初恋の美しさ、崇拝者に囲まれた女性の実態を知った少年の悲しみ、そのような文学に接したい方々は、ツルゲーネフの「初恋」でもお読みください。」

「初めの方はどうと言うこともなし。最後まで読みきって感動が訪れる。自分の少年期がよみがえる、大人にこそ読んでいただきたい作品。」

「我らが愛すべき百田尚樹氏が、これからも書いてくれるとする明らかな根拠はない。敢えて言えば、「最初から最後まで読んでの感触」だけ。それでも、 百田さんの小説家引退表明は額面通り受け取れない、と多くの人が思ったのではないか。ネタばれを恐れずに書けば、作者自身が思い描いてきた、「(自らを通して)日本人のヒトの良さ」、色々なことがあっても「頑張ってきた日本人」。そのような日本人観・人生観を込めた、素敵なファンタジーだ。その意味で自伝的小説のように映る。それに加えて、日頃おっしゃる「日本人に生きる希望を与える。そのような作品」が完成した??そして小説家・百田尚樹としてのデビュー作「永遠のゼロ」が、大東亜戦争等々を経て、昭和から平成へと生き抜いた日本人を描いたものであることと、きっちり繋がる。

《気持ち的には「永遠のゼロ」の完結編か??》」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事