日本海沿いにある小さな村の駐在所から警官が失踪した。
後任として駐在所に着任した島崎巡査部長の下に、県警本部から送り込まれた調査官・樋口が現れる。警察内で密かに失踪事件を調査することのようなのだが……。
過疎の村にふきだまる欲望!
巨大福祉施設に隠された恐ろしい秘密を二人は暴けるのか。
そして、樋口の正体とは!? 一気読みの警察小説巨篇!
冷たい檻 伊岡瞬
読了。警察と地元と政治と、、、
様々が絡みあうハードボイルド物語。
いくつかの視点で物語が進んでいく。失踪の事件がそんなところに繋がるとは。 pic.twitter.com/NgN05TEngq— UR-Z (@URZ76339300) October 15, 2021
伊岡瞬
一九六〇年、東京都生まれ。二〇〇五年に『いつか、虹の向こうへ』(「約束」を改題)で第二五回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞し、作家デビューした。代表作の『代償』四十万部を超える、『悪寒』は二十万部を超えるベストセラーとなった。近著に『不審者』がある。
「伊岡さんの作品を一つでも好きな人がいれば、確実に「伊岡ワールド」を堪能できます。」
「読み始めは、壮大なプロットかとおもいながら、たくさんの登場人物と、話が飛びすぎるので、感情がなかなか話の中に入つて、いきにくかったが、終盤は、割と、こじんまりまとめて、ラストの意外性に驚かす、いつもの作者のうまさで、いつき読み!」
「大作ですが、サスペンス映画を観るように一気読みしました。
舞台も主人公も非現実的な設定ですが、不自然さを感じさせない筆力はさすがです。視点人物が頻繁に変わります。これは「ミステリー小説の書き方」といった類の本では避けた方が良いとされている手法ですが、これも軽々と処理しています。
ややマイナスになるのは、「これはこういうことなのではないか」と思ったとおりにストーリーが展開する、という点ですが、これすらも、読者に不満を抱かせないように書かれていて、「上手いものだ」と思わされます。
ミステリーを日頃あまり読まない方にも、広くお勧めできる佳作です。」
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