疼くひと 松井久子 (著) 中央公論新社 (2021/2/20)

脚本家・唐沢燿子は古稀をむかえ、日に日に「老い」を感じていた。

しかしSNSで年下の男と出会い、生活が一変する。

男の言葉に一喜一憂するうちに、身も心も溺れていく燿子。

人生後半から燃え上がる、大人の恋の行方は……。

「特に心に残ったのは作中に出てきた「人が心に思うことは、誰にも止められないんだよ」という言葉です。男女の関係というものは、夫婦になったとたん、どこか嘘やごまかし、あきらめが混じるように思います。心に思うことに素直でいたくても、どうしてもそれが難しいこともある。でも、心に思うことは誰にも止められない。せめて心の中だけは自由でいたいと思いました。」

「小説はいつも、人間の人間らしい行動を登場人物の姿を借りて語ってくれる。時に優しく、時にはどこまでも残酷にだったり、思いのままに、と思える場面もある。
松井さんは70歳の女性の姿を借りて、赤裸々な姿を見せ、語ってくれたので、食い入るように文字を追いかけて一気に読んだ。」

「何歳になってもその時その時の心が揺らいだり惑わされたり。読み終わった時に、性愛から見え隠れする純愛が尊い。
そんな思いになる一冊でした。」


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