夜行堂奇譚 嗣人(著)、げみ(イラスト) 産業編集センター (2022/2/16) 2,090円


外道箱と血に狂う赤黒い犬、ないはずの右腕を掴む手、皮袋を引きずり徘徊する童殺し、化粧箱を泳ぎ回る異形の魚、ループする隧道(すいどう)…

隻腕の見鬼(けんき)・千早と、オカルト嫌いな県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。

人の情念や想いが、人ならざるものとなり引き起こす、数々の呪いと悲劇。

その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。

SNSで話題の怪異譚、待望の書籍化!

書き下ろし250ページ以上!
装画:げみ

【目次】
序/夜行/穢向/洩呪/翡抄/団死/残仇/叫禍/掬魂/忌檻/至双/狂歌/紫眼/揺花/悪會

著者について
嗣人(tuguhito)
熊本県荒尾市出身、福岡県在住。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。2010年よりWeb上で夜行堂奇譚を執筆。妻と娘2人と暮らすサラリーマン。『夜行堂奇譚』が初著作となる。 Twitter@yakoudoukitann https://note.com/tuguhito/

「noteで投稿されている小説「夜行堂奇譚」シリーズのスピンオフ作品的な位置づけの本です。ジャンルとしてはダークホラー×ファンタジーで、最近流行りのポップに転生できるような異世界ではなく、日本の原風景的かつ禍々しい異世界が舞台として登場します。

個人的には、ネット投稿版の作品を読んでから本作(書籍版)を読むのをオススメします。時系列も主人公もバラバラな物語が自分の中で一本の世界線に繋がる感じが楽しめます。想像力のある読者なら、1話につき1本の映画作品が脳内完成すると思います。

現代人なら「エモい」の一言で片付けてしまう感情を、幾通りもの言葉で形容する。そんな日本語の魅力的な使い方も勉強できる作品です。読んだら語彙力がアップしますよ!
あゝ、ヱモゐ!」

「YouTube『怖い話 怪談 朗読』で著者の作品の朗読を聴き、その世界観の虜になって、著者のnoteに投稿された作品を読みふけり、書籍化を待ち望んでいた。
私自身、オカルト的なものはあまり信じないので、怪談、怪奇小説の類いが好きである。京極夏彦氏の百鬼夜行シリーズのように主人公が怪異を憑き物落としして種明かしをすると「なるほど」と膝を打ってしまう。
しかし、『夜行堂奇譚』は、登場人物、情景描写が見事な筆致で描かれているために怪異に対峙する主人公たちとその場にいるような感覚になる。文章が頭の中で実写化されて自分が紛れ込んでいると言ってもよい。それは理不尽な事故による障がいと引き換えに霊能力を得た主人公を著者の正義感を投影させて愛情深く描いているからだと思う。
『夜行堂奇譚』の続編、著者の神様シリーズも書籍化されることを切に望む。」

「物語の中に没頭してしまう。娯楽として読む本としては割とボリュームもあるのに、中弛みがなく次々とページを捲りたくなる。気取らない優雅さのある文章と魅力的な登場人物。現実とはかけ離れているのに、その物語の中で見ているような気持ちにさせる作者の力を感じ、次の書籍が待ち遠しい。」


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