教習所を出たって運転不可能!
誰でも1度はトラブルに!?
バカでかい大型トレーラーを操る職人ドライバーはどこで練習したのか?
商用車の世界というのは、働くクルマとしての魅力に溢れていてファンも少なくありません。
憧れすぎて免許だけでもいいから取得してしまったという猛者もいるほど。
免許は教習所で取れても問題は実地で、普通車やバイクであれば緊張はするものの最初から普通には運転はできます。
しかし商用車ともなるとサイズが大きいゆえに、習ったことは役に立たなかったりするのです。
代表例は牽引、つまりトレーラーでしょう。
目次
特殊なハンドルさばきが必要
免許と実車がかけ離れているという点では、大型特殊も同様で、こちらは小さなバケット車を使って数時間で取得できるのに、実際には超大型重機も運転できてしまうという不思議な免許種別だったりするのです。
トレーラーに話を戻しますが、なにが難しいかというと、その大きさもさることながら、独特なハンドルさばきにあります。
とくに問題なのはバックで、通常は右に切れば右に曲がるし、左も同様。トレーラーの場合、必ずしもそうでなくて、右に曲がりたいときは左に切ることもあるし、切りすぎると連結部分で大きくふたつに曲がってしまうのです。
しかも積み荷は重量があるので、スムースに動くわけでもありません。
ハンギョル死ぬほど好きだけど追えてないし字幕ついてないからなんで大型トレーラーの免許とってんのかまったくわからんけど「ハンギョルが大型トレーラーに乗る」と言う事実が解釈一致すぎ、アイドル引退したら運転手になるの?お願い結婚して pic.twitter.com/t9wEr4BGP3
— JAM前歯 (@ecagen_ni_shiro) August 23, 2022
まさに職人技! 大型トレーラーの運転はどこで習う?
さらに現場は狭いところもあって、牽引するトレーラーヘッドは真っ直ぐなのに、荷台は押し込むように曲げていくというようなテクニックも駆使。
狭い道での切り替えしも、前後させながら細かく切ってクリアしたりして、まさに超絶テクニックの連続です。
そのあたりを細かく撮影した映像は動画サイトでも人気のジャンルで、なかにはアメリカで巨大なトレーラーを操る日本人のチャンネルもあったりするほど。
しかし、ふと思うのが、これらのテクニックはどこで学んだのか、ということ。
教習所でもバックは重点的に教えてもらえるが、それでも実際にはまったく通用しないということは素人でも想像がつきます。
しかも、現役ドライバーに聞くと、教習所には行かず、いわゆる1発で取った人もけっこういるのです。
経験値を上げるしかない
まず多いのは大型車からの乗り換えで、操作性は違うにしてもすでに現場感や巨大な車両を扱うのに慣れていること。
そのうえで、ベテランの隣での「横乗り」と呼ばれる研修を受けた上でデビューすることが基本です。
ただ会社の敷地内での練習については、トレーラーヘッドは会社の所有でも荷台は別なことが多いので、必ずできるわけではありません。
それでも独り立ちしてうまくいくわけがないのは事実。
自在に操っている人でも「1年ぐらいは緊張しっぱなし」と口を揃えて言っていますし、「誰でも1度ははまり込んでニッチもサッチもいかなくなったことがあるはず」とも。
さらに「若いうちから乗らないとダメで、歳を取って乗り始めるのは無理」という厳しい意見もあるほど。
まさに職人の世界なのです。
雰囲気だけ味わいたいなら、ボートなどを乗せて引っ張る小さなトレーラーやキャンピングトレーラーで十分。
これでもけっこう気を使うハズです。
大型トレーラーの左折とバックは職人芸以外の何物でもない
— もちもち? ? (@0D0R0KU) November 9, 2016
ネットの声
「私がトレーラーに乗り始めたのはバブル景気の真っ最中の時期でした、どこでもトラックが足りなくて増車、増車、で当時の勤務先でもトレーラーを増車することになり「お前も免許持ってるならトレーラーに乗れ!」の社長の一言で、バリバリの新車を与えられました、練習する余裕など無いほど忙しい時期だったので、いきなりひとりで実戦本番でした。最初の3ヶ月位は全く思い通りに操れず毎日胃が痛む思いでした。車庫入れやホーム着けが常に1発で決まるようになったのは3年 ~
4年経った頃だったかな? 結局トータルで20年以上トレーラーに乗務して現在は引退しました、現役時代には、信号待ちでオカマ掘られたなどの貰い事故は数回ありましたが、自分から事故は一度もおこしませんでした。」「実戦あるのみです。30歳で大型と一緒に免許を取って、大型トラックの経験一切なく運送屋さんに就職しました。最初は4トンを先輩同乗で2週間乗って大型を2週間同乗無しで乗って、そこからトレーラーになりました。本気で泣きそうになったのはトレーラーに乗って5日目。重機の回送の運送屋さんだったんだけど、栃木県の山奥の現場へのバックホーの回送、現場まで前進で入るとトラックを回せるところがないからと麓の村の広い駐車場からガードマンが付いて林道を3キロバック…半分くらいまでは涙目状態でバックしてたけど慣れるね。半分くらいからはスイスイとバックして無事任務完了。ガードマンさんにも上手いもんだねえって褒められ、現場のゼネコンの監督にも褒められ「先月来た運転手さんは倍以上時間かかったよ」って言われてちょっと得意げに帰ったっけ。目の病気にかかってトレーラーは降りたけど、今でも生業にしたいなあって思う。」
「トレーラー乗りの知人にすごい運転技術だなと褒めていたらバックは慣れるまで不安だし一度で決められないときもあったけど時間次第でなんとかなるよといわれて感心してた。そして知人が言うには前に進むならトレーラーよりも箱型の大型車のほうが内輪差など厄介なことが多いと聞いていろいろあるんだなぁと感心してた。」