死刑に参加した刑務官が明かす…死刑囚が死刑確定後に手渡される「しおり」の衝撃内容
広島拘置所に収容中の死刑囚が、居室内にいる時も監視カメラで常時監視されているのは憲法が保障するプライバシー権や個人の尊厳の侵害にあたるとしてして、国に約2100万円の損害賠償を求めた訴訟を広島地裁に起こした。
1月10日に広島地裁にて第1回口頭弁論があり、国側は請求棄却を求めて争う姿勢だ。
日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。
漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密 一之瀬はち(著, イラスト)竹書房 (2021/4/30)』を取り上げる。
目次
死刑執行のあとに…
『刑務官が明かす死刑の秘密』より
裁判を終え、死刑が確定した死刑囚は執行の日までどのような生活を送るのかだろうか。
取材したM刑務官は語る。
「死刑確定後、その暮らしに必須なアイテムとなる『所内生活のしおり(死刑確定者用)』が手渡されます。そこには朝から夜までの一連の流れなど、拘置所内の生活について詳細に書かれている。死刑囚はこのしおりをもとに生活を送ることになります」
このしおりには、拘置所での暮らしに必要な情報がほぼ網羅されている。
特筆すべきは、老年の者にも読めるようかなり大きなフォントが採用されていること、そしてすべての漢字にふりがなが付いていることだ。
「漢字交じりだと、『オレは漢字が読めないからルールがわからない』など言い訳して好き放題しようとする受刑者がいるので…。また、使ったことはありませんが、外国人の死刑囚が出た場合のために英訳バージョンも用意されています」
恨んだり憎んだり攻撃したりしても人って言うやつは結果的にニュートラルな状態に必ず戻ってきて、過去を悔いる??
死刑囚が最後に泣く様に??人間という生き物の賢さをあまり過信してはいけない??
ほとんどの人は感情の昂ぶりから行動の全てを抑制できないし、喉元過ぎれば暑さ忘れるを地でいく??…— ひよこトレーダー (@NAC137567) January 14, 2024
1人部屋の理由
■居室は単独室収容が原則
死刑囚は基本的に「単独居室」となっている。
受刑者は雑居(複数人収容の部屋)に対して、なぜ死刑囚は1人部屋なのか。
これは、死刑囚の精神的ケアのためだという。
死刑囚は死刑執行まで多くの時間を拘置所で過ごすことになる。
死刑執行以外に出所が望めない生活は彼らの精神を蝕んでいく。
高度なストレスを抱える死刑囚を雑居で生活させると人間関係でさらなるストレスが及ぶ可能性がある。
その精神衛生上の問題から単独居室が採用されているのだ。
しかし、単独居室とはいえ死刑囚は定期的に居室を転出する必要があるという。
「長期的に同じ部屋で生活させると居室内で不正物による自傷・自殺行為を行ったり、果ては脱走のため工作を行ったりすることがあるため、不正防止と気分転換を兼ねて部屋の移動を行うことになっています」(M刑務官)
権利だけ主張する人、心底嫌い。
公共の福祉によって死刑囚は基本的人権制限されないのかしら。
こんな訴え起こすくらいだから反省してるとは思えずなぜ刑が執行されてないのか不思議。 https://t.co/0iN1KTCkYO pic.twitter.com/INeATyIEqt— 国際結婚 (@hun91173) January 11, 2024
視線を送ることも…
■「交談禁止」
他の死刑囚と話すことは禁止されている。
もちろん部屋越しに話しかけたりすることもできない。
さらに、居室外連行の際などは他の居室に視線を送ることも禁止となっている。
なぜそこまで厳しくするのか。
「死刑囚同士が『次は誰が死刑になるか』がわかってしまい、精神的な負担を大きくしたり、『脱獄方法の相談』を行い不正に繋がる可能性が高くなるため」(M刑務官)
ダニヤ・クカフカ『死刑執行のノート』#読了
三人の女性の視点から死刑囚を描いた話
ジョン・グリシャム、『イノセント・デイズ』、レクター博士と類似小説を予想するが、どれも違った
読んだことがありそうで、ない小説でした
死刑囚を語る二人称は、独房に天使がいるみたい
宗教的な小説でした pic.twitter.com/XkgGolwWZO— macri coyote (@coyotebook) January 11, 2024
ほとんどが「余暇」
■動作制限
死刑囚の1日の暮らしはどのようなものなのか――しおりにはそれも明記されている。
1日の暮らしは以下のとおり。
朝ごはん後・余暇時間、昼ごはん後・横臥(おうが)許可時間、そのあとは余暇時間……
休んでいる時間がほとんどなことに驚く。
「死刑囚は死刑になるまでやることはないから、とにかく余暇・昼寝・食事・余暇のようなスケジュールになる。一日中暇なわけですが、その『暇』は人の心を荒ませる。そんな死刑囚のために拘置所では『自己契約作業』というものが行えます。刑務所で受刑者が行っているような『刑務作業』を居室内で行うことが出来るのです。その仕事は封筒つくり、箱組み立てなどの軽作業でその成果に応じて報奨金も支払われます」(M刑務官)
本記事では死刑囚が暮らす拘置所での生活について取り上げた。
死刑制度は賛否両論があり、どちらの考え方が正しいという性格のものでもない。
だからこそ、今一度「死刑」について深く考えるきっかけになるかもしれない。
#読了
2024/1/15
正体/染井為人良かった。逃亡中の死刑囚とそこで出会う人達の話。どの話もそれひとつで本が一冊成り立つ様な良さがある。死刑囚からの視点が一つもないのが作品の妙だと言える。彼の心情は如何程か。つらかったろう、寂しかったろう。それでも直接触れて思ってくれる人がいた。 pic.twitter.com/hGR4tVWE8Z
— 硝子さん??読書垢 (@dokusho_700) January 15, 2024
ネットの声
「死刑は死ぬことだけが刑罰だから、それまで逃げないように拘置所に入れているだけで、懲役と違って、働いたり、自由が極限まで制約されたり、なんてことはない。
言い換えると、執行前に病死なんてしてしまうと、形の上ではなんの刑罰も受けずに他界したことになってしまうので、バンバン執行しろとまでは言わないけど、あまりに遅いのは、やっぱり問題だと思う。」「死刑囚が、防犯カメラで24時間室内を監視されているのはプライバシーの侵害だと訴えているようですが、自殺でもされたら死刑宣告の意味がなくなります。むしろ死刑囚は死刑執行日まで防犯カメラ付きの居室が望ましいと思います。」
「そもそもの問題が確定してから執行まで長期間であるということ。
歴代の法務大臣で執務しなかった職務怠慢は何人いたことか。
法務大臣にやらせずに、第三者の専門機関を使って、毎年の未執行者は一桁維持にすべきだと思う。」
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