
「かけ」や「もり」は危険、いかにも健康に良さそうな野菜ジュースも実は……「糖質中毒」の知られざる恐ろしさ
人はどうして太ってしまうのか。そして、なぜ痩せられないのか。
それは私たちのせいではありません。
知らず知らずのうちに、脳内が糖質に侵されて「糖質中毒」になってしまったからです。
では、何を食べてよくて、絶対に食べたり飲んだりしてはいけないものは何なのか、さらにはどのような食べ方をすると効果があるのでしょうか。
そのヒントは、糖尿病専門医である牧田善二先生による『糖質中毒 痩せられない本当の理由』(文藝春秋)に書かれています。
目次
野菜ジュースや果物ジュースも体の中で悪さをします
「朝食代わりに野菜ジュースを飲んでいるのですが、通勤電車の中で気持ち悪くなってしまうことがよくあります」
「ランチを摂った後は眠くて仕事になりません。食べ過ぎないように蕎麦で軽く済ませているのにダメなんです」
「すぐにお腹が減ってしまいます。大盛りご飯を注文してしっかり食べておくのに、2時間もするとまた食べたくなって困ってしまいます」
このような話をよく聞きます。
まさに、糖質中毒の典型的な症状です。
ご飯はもちろん、いかにも健康に良さそうな野菜ジュースや果物ジュースや蕎麦にもたっぷり含まれる糖質が、彼らの体の中で悪さをしています。そして、さらに糖質を摂らずにはいられない状態になっているのです。
糖質中毒を読み解くキーワードは「血糖値」です。あなたも、健康診断で測定されていることでしょう。
ここに紹介したような症状に襲われているとき、彼らの血糖値はジェットコースターのように急激な「上昇・下降」を起こしています。
たとえば、「これだけで1日分のビタミンが摂れる」などとうたう野菜ジュースには、果汁や砂糖がたっぷり入っています。
市販の野菜ジュースは「濃縮還元」といって、
原料は海外から輸入した野菜をドロドロにペーストしたものです。農薬や遺伝子組み換えの危険性はもちろん、
その製造過程でほとんどの栄養素が失われている上、香料や砂糖も添加されているので、癌患者にとってはこの上なく体に悪いものになっています— 癌サバイバーミュージシャン(浅井しんや) (@bF1Srfu5X2y7Zgp) October 20, 2021
起き抜けの空腹時には血糖値は下がっており、そこで、糖分たっぷりのジュースを飲むと、血糖値が一気に上がります。
血糖値が下がっていたときはぼーっとしていたのが、上昇すると一時的に元気になります。
そこで、「やはり朝はこのジュースがいい」と思うわけです。
ただし、血糖値が上がりすぎれば昏倒して死んでしまうため、膵臓からインスリンというホルモンが出て、高くなった血糖値を下げるように私たちの体はできています。
このとき、血糖値の上がり方が急激であれば、インスリンも大急ぎで大量に分泌されます。
すると、今度は血糖値が下がりすぎてしまうのです。
血糖値が大きく下がり70(単位は㎎/dL、以下略)を切るようになると、動悸、吐き気、イライラ、眠気、強い空腹感、めまい……などの不快な症状に襲われます。
すると、脳は「また血糖値を上げたい」と考え、糖質を摂るように体に命じます。
そして、脳の思うままにまた摂ってしまうわけです。
実際に、仕事中に眠気を感じたらエナジードリンクや缶コーヒー、炭酸飲料を飲む人は多いでしょう。
それによって下がった血糖値がまた急激に上がるため、一瞬だけシャキッとします。
でも、急激に上がった血糖値は急激に下がり……と体の中で同じことを繰り返しているのが現実です。
言葉は悪いですが、脳の中で、「ヤクが切れた。もっとくれ」が行われているのであって、まさに中毒なのです。
もちろん、「糖質をまったく摂るな」などと言うつもりはありません。
すぐにエネルギーとなる糖質を必要量摂取することは、いい仕事をする上でも大切です。
しかしながら、その「必要量」を遥かに超えた量を多くの人が摂っており、血糖値を急上昇させ、その後の急降下でまた糖質を欲するという中毒に陥っています。
・・
菓子パンはね。菓子だよ??
・・・・
野菜ジュースはね。ジュースだよ??
・・・・
エナジードリンクはね。ドリンクよ??菓子パンを食事がわりにし、
野菜ジュースで野菜を補い、
疲れをエナジードリンクで凌ぐ。ここの勘違いはホントに危険よ?? pic.twitter.com/n9H0eGooUj
— けん先生 漢方/薬剤師 (@suzuki_kanpo) October 9, 2021
「かけ」や「もり」は危険、知識不足が糖質中毒を悪化させます
炭水化物は脂質やタンパク質などと一緒に食べたほうが血糖値の上昇がおだやかになります。
つまり、同じ茶碗1杯のご飯を食べるときに、ふりかけだけで食べるより、豚肉の生姜焼きを添えたほうがいいのです。
同様に、うどんや蕎麦なら、具のない「かけ」や「もり」は最も血糖値が上がりやすい、すなわち糖質中毒になりやすい食べ方です。
糖質中毒になりやすいというのは、イコール太りやすいとも言い換えることができますが、多くの人は反対のことをやっています。
「かけやもりのほうが、カロリーが少ないから太らないだろう」
「健康のために、胃にもたれる油ものなどは食べないでおこう」
こうして、とくに忙しい仕事の合い間に摂る昼食は、麺類やおにぎり、惣菜パンなどで済ませる人が多いのです。
その結果、血糖値の急上昇・急降下を呼び、「午後は眠くてたまらない」となるわけです。
炭水化物に偏った食事によって多くの日本人が気づかぬうちに糖質中毒に陥り、仕事のパフォーマンスを落としたり、健康を害しています。
あなたをそこから救うのは、正しい知識をおいてほかにありません。
初老的グルメ活動??
ネバネバうどんで健康気分??by譲れんK#うどん #ネバネバ pic.twitter.com/9C3ZuFzg7N— 千葉栄町EGOグループ公式 (@chioba8) January 11, 2022
糖質の多量摂取はDNAに反しています
普通に真面目に生きている人たちは、中毒性があるとわかっている違法薬物などに手を出しません。
合法的なタバコだって「できればやめたほうがいい」と感じているでしょう。
そもそも、違法薬物やタバコは生きるために必要のないものですから、「中毒にならないでいる」ことは容易です。最初から関わらなければいいのです。
一方で、私たちの体は一定量の糖質を必要とします。
生化学の教科書には、「糖質は自然界で最も豊富に存在する有機分子である」と説明されています。
糖質は、ほとんどの生物の食事に含まれるエネルギー源で、生命を維持するための重要な役割を担っています。
私たち人間にとっても糖質は必須で、まったく無縁でいることなどできません。
約250万年前にホモ・ハビリスが誕生してから、人類はずっと狩猟と採集で食べ物を得てきました。
実に、10万世代以上が、木の実や山菜、魚、ときどき仕留められる獣の肉を食べて命をつないできたのです。
ということは、狩猟と採集でまかなえる食料に、人類に必要な量の糖質は含まれているということです。
対して、農耕が始まったのは約1万年前。人類の長い歴史から考えれば、米や小麦粉を口にしたのはつい最近の話で、約600世代がそれをしてきたに過ぎません。
農耕によって、安定的な食糧確保が可能になり、世界の人口が増えていったのは事実です。
とくに、エネルギー源となる炭水化物は歓迎されたでしょう。
でも、今ほど糖質を多量摂取するように、私たちはプログラミングされていません。
現代の私たちの食事は、明らかにDNAに反しているのです。
米や小麦といった炭水化物をたくさん栽培できる農耕技術を手にしたとき、すでに糖質中毒のタネは蒔かれていたと言っていいでしょう。
本年中の御厚情に深く御礼申し上げます
うどんのように長く「健康長寿」「家運長命」みなさまに良き年が訪れますようお祈り申し上げます
誠に勝手ではございますが、新年のご挨拶は差し控えさせていただきます pic.twitter.com/zUgTkgJni2— あんこ(うどん県の住民) (@anko31040) December 30, 2021
炭水化物と砂糖が脳に刻み込んだもの
イタリア人がパスタをこよなく愛するように、日本人は白いご飯が大好きです。
私たちの遠い祖先はパスタもご飯も口にしたことはありませんが、「日本人はずっとお米を食べてきた」と考える人がたくさんいます。
多くの日本人にとってお米は絶対的なもので、「一粒もムダにしないように」「ご飯を食べられることが幸せだ」と親からも学校でも教えられてきました。
私自身もそうでしたが、育ち盛りの頃はエネルギーはいくらでも消費しましたから太ることもありませんでした。
そして、たくさん食べているうちに「炭水化物は美味しい」という記憶が脳にしっかり刻み込まれました。
これは私に限ったことではありません。
日本人に限ったことでもありません。
農耕技術が発達し、さまざまな炭水化物が行き渡り「主食」となったことで、世界中の人たちの脳に同様の記憶が刻み込まれたはずです。
さらに、18世紀にイギリスで起きた産業革命を経て、精製された砂糖が出回るようになると、人類の脳には「甘いものは美味しい」という強い記憶も加わります。
こうした流れに沿って人間が口にする物が変化していき、現代はとんでもないところに行き着いてしまったわけです。
がんになる方の共通点
①パンが好き
②家庭や職場などでストレスの溜まる生活をしていたこの2つが実際に僕が大勢のがんの方に話を聞いて多かった2つの共通点
砂糖・小麦・悪い油の取りすぎ・低体温などもよくいわれるがんの方に多い特徴
冬は冷えやすいので体温下がらないように気をつけよう
— CS60東大阪健康サロン@健康マニア (@CS60osaka1) February 1, 2022
糖質中毒 痩せられない本当の理由 牧田善二(著) 文藝春秋 (2022/1/20) 858円
人はどうして太ってしまうのか。
そして、なぜ痩せられないのか。
それはあなたのせいではありません。
知らず知らずのうちに、脳内が糖質に侵されて、「糖質中毒」になってしまったからです。だから、意思で痩せようなどとは思わないことです。
それはムリです。
では、どうすればいいのか。
「中毒」になった脳を変えればいいのです。
本書は、糖質がどれだけ体に悪さを及ぼし、様々な病気の元となり、もちろん肥満を引き起こすそのメカニズムを詳述します。
そして、そこから脱却する効果てきめんの方法を伝授してくれます。
(実は、リーサル・ウェポンがあるのです!)
その最終兵器を体験した体験談にもある通り、肥満からの脱却、そして糖尿病の改善は、まず間違いなく達成できます。
また、何を食べてよくて、絶対に食べたり飲んだりしてはいけないもの、さらにはどのような食べ方をすると効果があるかも細かくレクチャーしてくれます。
肥満と糖尿よ、さようなら。これであなたは救われるでしょう。
ネットの声
「この手の本を読んで、食生活を変えるようにしております。本の後半では、有効な対策が書かれており、大変参考になります。すぐに元の生活に戻ってしまうので、月1くらい読み直しが必要なくらい、大切な事だと思います。」
「この数年「何故痩せられないのか」悩んでいたが、脳にコントロールされていたとは……。糖質がどう悪さし、糖質中毒からどう脱却したら良いか、明快に答えを出してくれた本である。」
「慢性的な体調不良と睡眠障害、胃腸障害に加え昨年辺りから健診結果まで各種悪化しつつあり、年明けから思い立って糖分&カフェイン摂取を大幅に減らした所、劇的な効果を体感しつつあった矢先にこの本を手に取り知識で補完されました。肩こりが消え胃腸の状態も回復、何より睡眠の質が感動的な心地よさに。
嬉しい反面これ迄数十年、どれだけのQOLと(健康に費やす)金や時間や可能性も失って来たのか、目眩がしそうです…。」
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