クルマは乗り続けるとどんどん遅くなる?消耗品の宿命

ウチのクルマこんなに遅かったっけ?……は気のせいじゃない! クルマが古くなると「遅く」なるワケ

クルマは進化しているので、基本的にはドンドンと速くなっているし、燃費もよくなっています。

たとえばその昔はATよりもMTのほうが、シフトチェンジの手間などで速いとされていたし、燃費も同様。

しかし今ではクルマに任せたほうがシフトチェンジは早いし、燃費も同じぐらいだったりするのです。

ちなみに燃費はWLTCの高速道路モードだとATのほうがよかったりすることも。

となると、「ウチのクルマが遅いのも当然か」と思うかもしれないのですが、一概には言えないようです。

クルマはヘタって遅くなることがある

具体的にどの部分がヘタるのかというと、まず思い浮かべるのはエンジンでしょう。

ただし、エンジンと言っても漠然としすぎているのも事実。

さらに細かく見ていくと、なにはなくてもピストンとシリンダーの気密性です。

これは専用の測定機器を使って、圧縮圧力(圧縮比ではない)を測って、規定値と比べればすぐにわかります。

圧縮圧力とはピストンが一番上に来たときにどれくらいの力で内部の空気を圧縮しているかというもの。

摩耗して気密性が落ちれば隙間から抜けてしまうので、圧力も落ちてしまうのです。

ヘタって摩耗して圧力が抜ける部分も、シリンダーとピストン(正確にはピストンリング)部分だけでなく、バルブの傘とリングの当たり部分の悪化も関係しています。

様々な部分が劣化してくる

圧縮圧力以外でバルブの開閉に関係してくるのが、カムシャフトの摩耗。減ればそれだけリフト量(バルブが開く量)も落ちるため、吸排気効率は落ちてしまいます。

そのほかクランクシャフトの摩耗などによるピストンの振れも正確な作動をさまたげられるなど、あちこちが関係してくるのです。

また、オイル管理が悪ければ、各部にスラッジが溜まって、オイルの循環が悪くなって、潤滑性が落ちることもあります。

つまり滑らかな作動が難しくなってくるのです。

また、インジェクターの詰まりによる噴射量のダウンや各種センサーの劣化によって、正しい数値がコンピュータに送られなくなることもありますし、コンピュータ自体の内部部品が劣化することもありえます。

駆動系ではミッション内部の摩耗やスラッジの堆積によって本来の作動が難しくなることもあるし、駆動系で言えばハブやデフなどに使われるベアリングの劣化による回転抵抗の増大もあるでしょう。

劣化は避けられない

そのほか、ブレーキは定期的にメンテをしていてもどうしても作動に渋さが出てしまいます。

そうなると、ローターやドラムに対して引きずりが発生して、こちらも走りに影響を与えてしまうのです。

走りに影響が出ると言ってもわずかで、問題のないレベルなのですが、これらが少しずつ積み重なっていくと、本来の性能が発揮できていないと感じることにつながるというわけです。

メンテをしていても避けられないだけに、メンテをしていないとなおさら劣化が激しくなるのは当然のこと。

人間と同じで老化は避けられないが、その度合いをメンテによってゆるやかにしていくのが大切なのです。

ネットの声

「遅くなったかどうかは、感覚的・相対的なものなので、燃費を記録しておいたほうが、効率の悪化は客観的に把握できます。でも最近のクルマは、8万km走行後(軽は6万km)まで排ガス性能(燃費性能とほぼイコール)を保証するよう義務づけられていますから、取扱説明書どおりの整備をしていれば、8万kmまでは顕著な性能劣化はないはずです。ちなみに僕はT30型エクストレイルに24万km、JB23型ジムニーに17万km乗りましたが、メーカー指定どおりにオイル交換をしていた程度で、最後まで燃費はほぼ変わりませんでした。」

「ブレーキの引きずりって単に整備不良かと思います。
車検にも通らない。古い車でもちゃんと整備していれば普通に走ると思う。新車が発売されると燃費をアピールする記事をよく見るけど実際、同等の車両同士では燃費に関してはここ数年、殆ど進化していないかと思う。」

「ちゃんとメンテナンスして、車のコンディションをなるべく保つようにしなければいけないって、事もあるけど、大半は乗り方にもあるでしょうね。
とりあえず、法定点検を受けてるマメな人は、エンジンオイルもちゃんと自身で管理して交換したり、してもらってるし、車が遅くなったと気にかけてなくてもコンディションの良い車を乗ってると思いますね。大事なのは、車の状態を日常点検や定期点検で知ることじゃないですかね。」



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