「コンドームを持ち歩くのは”はしたない”?」コンドームへの偏見が生むデメリットとは
性の悩みは、こころと身体が影響しあう問題であるにも関わらず、悩んでいても「誰にも言えない」そんな人が多いようです。
SNSを中心に性の悩みに関する情報を発信する臨床心理士の西田めぐみさんが、心と性にまつわる大切なお話を連載形式で綴ります。
目次
コンドームを持ち歩くことについてどう思いますか?
コンドームは妊娠を目的としないセックスになくてはならないものですよね。
ピルやミレーナなどの避妊方法もありますが、性感染症予防においてはやはりコンドームの装着はオススメしたいところです。
ある程度の年齢になって誰かとセックスすることは自然なことですし、その時にコンドームを使うのも同じように自然なこと。
だからこそコンドームはエチケット用品と同じ感覚で持ち歩いてもいいのでは、と個人的には思うのですが、世間ではまだ「コンドームを持ち歩く=恥ずかしいこと」と捉えられてしまうことが多いようです。
コンドームをサイフに入れておくと金運アップって、持ち歩く言い訳のために流布されたやつだろこれ……
— なかむらCRAB (@nakacrab) March 28, 2022
コンドームに対するネガティブな価値観が生むデメリット
さっそく話が脱線してしまいました。
改めて、コンドームを持ち歩くことについて、みなさんはどんなふうに思いますか?
性のお悩みをお聞きする中でよく耳にするのが、「恥ずかしい」「すごくセックスしたいんだと思われそう」という意見。
このような考えや価値観をもつことで、どんなデメリットがでてくるでしょうか?
1)いざという時にない
シンプルにまずはこれ。
ラブホテルなら置いてありますが、お互いの自宅や普通のホテルでは自分で用意しないといけません。
「その時に用意すればいいんでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、“いざ”というときはいきなり来ます。
当たり前のように常備しておいて損はありません。むしろ得です。
2)セックスに対するプレッシャーが生まれる
「コンドームを持っている=すごくセックスしたい人」という思い込みがあることで、相手がコンドームを持っていることをプレッシャーに感じる人もいるようです。
適度なドキドキはスパイスになりますが、大きすぎるプレッシャーはストレスになります。
《パートナーやデートの相手がいる人は、コンドームを持っているのがエチケット。》そんな考えが当たり前になれば、「え、コンドーム持ってるの?なんかすごいやる気なんだね」なんて思わなくなる……はず。
しかも悲しいことに、これは女性がコンドームを持っている場合に思われることが多いんですね。
女性が持っていたっていいです。
というか、持ちましょう。
自分の身体を守るため、お互いの未来を守るためにも。
3)コンドームに対する興味をもちにくい
コンドームには形・素材・ゼリーなどいろんな種類があります。
人によって合うもの合わないものもあれば、パートナーによってそれが変わることもあります。
でも合うか合わないか、というのは意識して比較しないと、“今日はいつもより痛くなかったけどなんでだろう・・・ま、いいか”と意外と気付かずに通りすぎてしまうことも。
コンドームに興味を持つことでセックスはもっと充実しますし、持ち歩くことでコンドームをより身近なものにしてもらえたらと思います。
既婚者が仕事鞄にコンドーム入れて持ち歩く理由を140字でお願いします。
— 母豚(まみーぴっぐ) (@mummypig0204) March 26, 2022
コンドームを生理用品のように扱おう
そんなふうに言われても、やっぱりコンドームを持ち歩くなんて恥ずかしい!と思う人もいるかもしれませんね。
でもコンドームは生理用品と同じような扱いでいいんじゃない?と思います。
生理じゃなくても、生理用品をポーチにいれている女の子は多いと思うのですが(いつ来るかわからない時もありますしね)、そんな感じでいいんじゃないでしょうか。
《今は使わないけど、いつ使う時が来るかはわからない。だから持っておこう》 もちろん男性もですよ。
どうでもいいけど高校生の時ポーターのコインケース(めっちゃちっちゃいやつ)にコンドームを入れて持ち歩く男子の風習があったんですけどうちの地方だけじゃないよね!?
— 秋緒 (@202_akio) March 7, 2022
できれば潤滑剤も一緒に
コンドームとセットで持ち歩きたいのが潤滑剤(膣にいれていいもの)です。
最近はパウチやスティックのものなど持ち運びが簡単で、しかもおしゃれでかわいいものがとっても多い。
ゼリーが多めについているコンドームもありますが、潤滑剤もセットで使ってもらえると痛みをさらに軽減することができます。
もちろん女性が十分潤っている時は使わなくていいけれど、これもコンドームと同じで、「今は使わないけど、いつ使うときが来るかはわからない。
だから持っておこう」の精神です。
コンドームを持ち歩くことに対する価値観はすぐには変わらないかもしれません。
でもこうして発信することで、「コンドームってむしろ持ってていいんだ、持ってるのが当たり前なんだ」という方が少しずつでも増えるといいなと思います。
《コンドームを持ち歩くって恥ずかしいことじゃないよ、むしろエチケットだよ》そんな価値観を一緒に広めていきましょう。
※持ち歩くときは、コンドームが傷つかないような容器にいれてくださいね(財布のなかに入れるのは厳禁!)
以前、某AV男優の方が死と税務署とセックスは突然やってくると仰っていました。それを機に常にコンドームケースは持ち歩くようにし、今では習慣化してます。 pic.twitter.com/N8d3NPDOYw
— しょう (@shou2317) March 1, 2022
ネットの声
「スキンで迷っているようでは可愛いなぁ。やる、やらない問わず、スキンと潤滑剤は大人の最低限の嗜みでしょう。大小様々な大人のおもちゃが出て来た時は、びっくりするけれど、スキンも用意していない、付けない男は、挨拶もできない男というのは日常のお話でしょう。段取り出来ていない男を受け入れる方が根本的に間違えている。スマートに段取り出来ている男の方が慌てないでお互いに楽しめるから良いんじゃない…。」
「別に持ってる必要はない。必要な時に買えば良いし手に入らない状況ならしなければいいだけの事。ゴム製品は劣化するし持ち歩くと製品の保管安全性も担保されて無い物をいざ使うと言うリスクの方がどうかと思う。」
「スキンを持っている(用意している)事に恥ずかしさを感じてるかも知れないけど、女子からすれば、「ちゃんと考えてくれてるんだな」と思いますよ。なんでもそうですが、準備する事を恥じる事は無い。」