リニューアル間近の「500円玉」は世界で最も価値の高い硬貨だった。
皆さんのお財布にも入っているかもしれない「あの硬貨」に関する世界一のご紹介です。
目次
500円硬貨は世界で最も価値のある硬貨
キャッシュレス決済が世の中にかなり浸透してきました。
進んでいる国と比べるとまだまだの状態ですが、「最近小銭を触っていない」と感じる人も少なくないのではないでしょうか。
この時代の流れに逆行するようですが、今日のテーマは日本の硬貨です。
ある分野で日本の硬貨が実は世界一だとご存じでしょうか。
それは「500円玉」です。
1982年(昭和57年)、500円紙幣に代わって登場した白銅(はくどう)の500円硬貨。
『広辞苑』(岩波書店)で白銅を調べると、
<ニッケル15~25パーセントを含む銅合金。ニッケルが20パーセントを超えると銀白色となり、耐食性・強度を増す>(『広辞苑』より引用)
とあります。
現在も流通する初代500円硬貨は銅75%・ニッケル25%の銅合金なので銀白色をしていたのです。
1982年以降に(あるいはその前後に)生まれた人からすれば「500円玉」の存在など当たり前に思えます。
しかし500円硬貨の生まれた背景には、自動販売機の急速な普及があったそうです。
さらに、
<このような高額の硬貨は、諸外国でも珍しく、比較的高額のものでも、ユーロで2ユーロ(最近のレートでは約200円)、英国で2ポンド(同じく約250円)が最高額面であり、スイスの5フラン硬貨(同じく約420円)以外は見あたらない>(『わが国の通貨制度(幣制)の運用状況について』前国庫課長・渡部晶より引用)
という状況なのだとか。
スイス・フランの為替レートが現在でこそ1スイス・フラン121.19円(執筆時点)なので、スイスの5フラン硬貨は「500円玉」より価値があります。
しかし「500円玉」の登場した1982年から現在までの為替レート推移を見ると、1985年(昭和60年)~1989年(昭和64年/平成元年)、1991年(平成3年)~2012年(平成24年)は1スイス・フランが100円を下回っています。
言い換えれば、5スイス・フラン硬貨よりも500円玉の価値のほうが高い時期がかなりあったわけです。
われわれが何気なく財布の中に入れている、あるいは子どものお小遣いにあげている500円硬貨は、世界で最も価値のある硬貨のひとつと呼べるのです。
おはようございます
上空から見ると建物の形が円になっているお馴染み日本 紙幣発行、政府の銀行、銀行全体の中心となっている日本銀行は、1882年10か月10日より創業されました
2024年度から新紙幣が発行されますね
造幣局にて来月より新500円硬貨も誕生します今日も素敵な一日になりますように?? pic.twitter.com/Y48jQwATsB
— カノン (@RaNHrZYOBRGi6TF) October 9, 2021
世界初の偽造対策も見られる
1982年(昭和57年)にお目見えした「500円玉」も2000年(平成12年)には新しいタイプが発行されています。
偽造対策として、硬貨の側面に斜め方向のギザギザが刻み込まれ、微細な穴加工や線加工も施されました。
見る角度によって、数字が見え隠れする仕組みにもなっていますよね。
この側面に刻み込まれた斜め方向のギザギザだけを取り上げても、世界初の偽造対策になるといいます。
「500円玉」は、多くの日本人にとって単なる500円の価値しかありません。
しかし世界で最も価値が高い(為替相場によって現在はNo.2)コインである上に、偽造対策では世界初の技術まで盛り込まれているのです。
それを知ると、ちょっと見え方が変わってくるのではないでしょうか。
来月から発行される新500円硬貨ですが、バイカラー・クラッドと言ってサンドイッチ??構造の金属を輪っかにはめ合わるバイカラー技術で作られています。
なんか凄いお金がかかってそう?? pic.twitter.com/e9Z4VbHCcU
— 白鳳(ハクホウ) (@hakuho89) October 7, 2021
3代目の登場
さらにタイムリーな話として、第2代の500円硬貨が登場した2000年(平成12年)から21年が経過した今年2021年(令和3年)11月、3代目が登場する予定です。
造幣局さいたま支局で、打ち初め式がすでに開かれ製造も始まっているとの話。
記念コイン以外では世界初の技術「異形斜めギザ」が導入され、これまでとはまた異なる微細文字加工も施されるようです。
初代と2代目の500円玉がすでに手元にある人は「世界最高」の歴代硬貨をコレクションするチャンスともいえます。
昭和62年や昭和64年の500円硬貨は一部の情報によるとプレミアムがついているみたいですが、別にこれらの年代でなくても、世界で一番の硬貨のひとつを保有している喜びを満喫できるのではないでしょうか。