
ボクサーのハングリー精神はよく知られているところです。
では、どうしてプロレスラーの生活はプロボクサーより安定しているのでしょうか。
目次
プロボクサーは世界チャンピオンにならないと本業で食べていけない
日本でもお馴染みのボクシング元5階級制覇の伝説ボクサー、フロイド・メイウェザー。
スポーツ選手長者番付1位を獲得するなど大金を稼ぎ、高級車・高級腕時計を自慢をするなど露骨な金持ちアピールをすることが多いため、「Money(金の亡者)」と呼ばれています。
これだけ聞くと、ボクシングはそんなに儲かるのか……、と思われるかもしれません。
事実、メイウェザーのマニー・パッキャオ戦のファイトマネーは200億円と驚くべき金額でした。
軽量級史上最大の一戦と言われた井上尚弥のスティーブン・フルトン戦はファイトマネーの合計が10億円(そのうち井上が6億円との噂あり)と言われ、
日本人ボクサーでも実力・知名度ともに抜群であれば巨額なお金を得ることができます。
しかしプロボクサーの中でも巨額なお金を手に入れられるのはほんのわずかです。
プロボクサーにはサラリーマンのように定期的に団体やジムから給料をもらう仕組みはありません。
プロボクサーの収入は基本ファイトマネーのみです。
ジム規模やチケットの販売、防衛回数やテレビ中継の有無によっても異なりますが、
ランクによるファイトマネーは下記のような相場となっております。
想定年収は年間試合数を3~5回として計算しています。
これを見てもらうと分かるように、一般のサラリーマン並みに稼ぐためには最低日本チャンピオンクラスになる必要があります。
しかし、怪我のリスクや保障がないことを考えると、本業一本でやっていくためには世界チャンピオンにならなければ難しいのです。
実際、プロボクサーがバイトを辞めるのは世界チャンピオンになってからが多いようです。
つまり世の中のほとんどのプロボクサーは本業だけでは食べていけずバイトで生計を立てているわけですね。
英国のプロボクサーがインタビューで日本語を話すAI生成の動画、英語でインタビューを受ける映像から作られている。外国の動画を全て日本語で聞けるのももうすぐか pic.twitter.com/txThIH8IiH
— ロアネア@最多情報源バズニュース (@roaneatan) February 22, 2024
プロレスラーは団体から定期的な報酬がもらえるためプロボクサーより生活が安定している
一方で同じプロ格闘技でもプロボクサーと比べて生活が安定しているのがプロレスラーです。
もちろん、一般のサラリーマンと比較すれば遥かに不安定ではありますが、本業だけで生活している比率はプロボクサーよりも高いです。
その理由はプロボクサーのような試合ごとのファイトマネーではなく、所属団体から定期的に報酬が支払われる仕組みであることが大きいです。
プロレスラーの報酬は非公開という暗黙の了解があるようですが、かつての新日本プロレスのエースであり「闘魂三銃士」の一人である武藤敬司選手は『生涯現役という生き方』という著書の中で全盛期の年収が6000万円だったことを語っています。
またある程度の固定ファンがついているようなレスラーであれば年収1000万円以上はザラにあるようです。
下積み時代は報酬がほぼないことが多いようですが、
住む場所と食事だけは団体に用意してもらえるため贅沢はできませんが生活に困ることはありません。
そのような報酬体系や育成システムの違いからプロレスラーの方がプロボクサーと比較して生活は安定しやすいといえます。
背中を押してくれたプロレスラー達。 pic.twitter.com/XgDjkXTqnt
— LAST-MAN (@Game_Over9891) February 21, 2024
プロレスラーの年間試合数はプロボクサーの30倍
このような報酬体系の違いはどこからくるのでしょうか。
それは年間の稼働率の差があります。
前述したようにプロボクサーの年間試合数は3~5試合です。
一方プロレスラーの年間試合数はというと、“レインメーカー”の異名を持つ新日本プロレスのエース、オカダカズチカ選手の年間試合数は多い年で130~140試合です(※2024年1月31日に新日本プロレス退団)。
全国巡業をするような大手のプロレス団体の興行は年間100を超え、トップレスラーは年間100試合以上をこなすことは珍しくありません。
プロレスの人気が絶頂だった1980年代には一日2回のダブルヘッダーも珍しくなく、年間300もの試合をしていたようです。
このようにプロボクサーとプロレスラーでは年間の稼働が大きく異なります。
ボクシングジムのように多くのアマチュアも含めたジムの月会費がないプロレス団体は興行で稼がないと経営が成り立たないので、数多くの興行をしなければいけません。
格闘技の聖地と言われる後楽園ホールの2023年10月の興行を見るとプロレス17興行、プロボクシング6興行とプロレスの方が多いです。
なおプロレスは団体のバスを使って地方巡業をしていることもあり、地方に行くほどプロレスの比率は高まります。
収益構造や稼働率、そこから支払われる選手の報酬などの違いにより、プロレスラーの生活はプロボクサーより安定しているといえます。
昔、プロレスラーの武藤敬司が「年収2000万円が20年続く方が一年に2億とか3億貰うよりいいに決まってる。」と言ってたことがあるけど、フーデリも長く細く無理せず安全運転でやるのが一番だと思う。 pic.twitter.com/in2U9T1Jnf
— 労働者キキ(配達・お金・筋トレ・ダイエット・健康・食) (@sakamichiuber) April 11, 2022
ネットの声
「プロレスの場合、いかに客を満足させるか。試合内容がどうか、個性的なキャラか。等が問われるし集客力も問われる。勝ったから、チャンピオンになったから手取りが増えるのとは違う。プロレスはギャラ。ボクシングはファイトマネー。根幹から違うと思います。リアルファイトのボクシングとはどちらが上とかではなく、ジャンルが違います。木下サーカス等のサーカスもパフォーマーはプライドを持ちプロとして命をかけて演じてます。」
「昔はプロレスラーもファイトマネー制度だったけど…湯水の如く消費して借金等も多かったから今の年俸制に変えたのが確か坂口さんだったはず。(新日は)
あと…あくまでもそれは団体所属選手で参戦選手はファイトマネー制度だし年俸ももちろんピンキリで新日以外は副業してる選手が多い。(全日本やNOAHの年間興業数なんかは二桁しかないし、DDTは副業してる選手多い、ドラゲーは選手が大会の営業活動等もこなしてる)
だから団体でも結構違う。」「プロレスはボクシングに比べショービジネスとしての側面が強いから、グッズの販売に繋げやすいというのもあるね。
選手としての戦績と人気が、他の競技と比べてリンクしない傾向があるから、キャラクターの強さで食ってるレスラーってのはそれなりにいそう。」