牛乳を飲めば背は伸びる?コーラで骨が溶ける?栄養学的に正しい「背を伸ばし、骨を丈夫にする」ために牛乳と一緒に摂るべきもの
「体にいい」「悪い」で語られがちな食べもの。
しかし、「多くの人が時代背景や健康ブームに惑わされ、栄養学的に正しい事実をわかっているようでわかっていない」と感じているそうです。
たとえば牛乳を飲めば「背が伸びる」「骨が丈夫になる」とよく言われますが、実際にはそれだけだと足りないそうで――。
目次
牛乳を飲むと背は伸びるのか
牛乳を飲むと背が伸びるとよく言われます。
子どものころ、背を伸ばそうと一生懸命牛乳を飲んだ人も多いのではないでしょうか。
背が伸びるといわれたのは、牛乳は骨を丈夫にする栄養分が豊富で、特にカルシウムが骨や歯の成分としてよく知られているからでしょう。
学校給食で牛乳を飲んできた世代の人の方が、給食のなかった世代の人にくらべ平均身長が高いというデータがあるので、何らかの関わりはあるといわれます。
しかし、身長が伸びる要因には遺伝的なものもあれば、運動や栄養など環境的なものもあるので牛乳を飲んで背が伸びるといえるかどうかはよくわかっていません。
いずれにしても背が伸びるためには、骨の成長が欠かせないことは言えます。
研修生の頃に小さかっためいちゃん??が身長を伸ばした方法。
①牛乳をいっぱい飲む、②小魚を食べる、③めっちゃ跳ぶ、④お母さんと妹に手と足をびーんって引っ張ってもらう。 pic.twitter.com/Dontq8P7QW— 麻雀?? (@ayakana_p) June 9, 2022
骨のリモデリングと骨粗鬆症
骨をつくる組織は骨基質と骨細胞からなります。骨基質はコラーゲン繊維などのタンパク質が枠組みを作り、そこにリン酸カルシウムの結晶が沈着しています。
タンパク質やカルシウムなどの無機成分があるため硬くて弾力があります。
20歳くらいまでは骨は成長しますが、やがて成長は止まり、身長が伸びなくなります。
ではその完成した時点での骨を一生使い続けるかというと、そんなことはありません。
古くなった骨は新しい骨に置き換わっています。それを骨のリモデリングといいます。
骨には破骨細胞と骨芽細胞があり、破骨細胞は古くなった骨を溶かし、吸収します。
骨芽細胞は新しい骨細胞を作ります。
リモデリングは1~4年周期で繰り返され、1年間で約20%の骨が作り替えられています。
成人では骨吸収と骨形成のバランスが保たれていますが、バランスが崩れて吸収の速度が形成の速度を上回ると骨がもろくなり、折れやすくなります。
これが骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。
最近毎日牛乳飲んでるからこりゃ身長伸びちゃうな
— ウラン (@U3_92) June 13, 2022
カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなる
骨の主成分であるカルシウムは、体内で一番多いミネラルで、総量で1kgほどもあります。
そのカルシウムの99%以上はリン酸やマグネシウムと結合して骨や歯に存在します。
血液など体液中にも1%未満のカルシウムが含まれます。
血液中のカルシウムは、筋肉の収縮に関わったり、血液凝固因子として働いたりするほか、神経間の情報の伝達を抑える、ホルモンの分泌を助ける、などさまざまに機能しています。
血液中のカルシウムが少なくなると、ためてあった骨の中のカルシウムが使われるため、カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなります。
毎日牛乳飲んでるのに身長が一向に伸びません、どうしたらいいですかでかいひと
— らぬ (@h3_fvl) June 12, 2022
「コーラを飲みすぎると骨が溶ける」と言われるワケ
血液中のカルシウムの濃度は、体のしくみによって厳密に保たれています。
このカルシウムの代謝を調節しているのが、副甲状腺ホルモンとカルシトニンという2つのホルモンです。
副甲状腺ホルモンは破骨細胞を間接的に刺激して骨吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を上昇させます。
カルシトニンは骨吸収を抑制し、血液中のカルシウム濃度を低下させます。
カルシウム濃度が低下した時、副甲状腺ホルモンは、骨の吸収を促すとともに腎臓での活性型ビタミンDの生成を促すことで、腸管でのカルシウム吸収を促しています。
また、カルシウムとリン酸の代謝は密接に関連していて、一方が増加すると他方は減少します。
よく「コーラを飲みすぎると骨が溶ける」ときくのは、コーラにリン酸が含まれているからではないかとも言われていますが、関連は明確にはなっていません。
もちろん飲みすぎはよくないのですが、カルシウムの代謝はいろいろな機構で調節されているので、コーラを飲んだだけで骨が溶けることはないはずです。
昔、
「コーラを飲んだら歯が溶ける」
って話しありましたが、嫁さんも知ってて驚きました。
一体何歳まで知ってるのかな?
出来れば広く聞きたいです。 pic.twitter.com/QR0IZr6TKU— 阿久津 修司 (@uimontyo) October 27, 2021
骨を丈夫にし、背を伸ばすのに必要な食べ物とは
さて、牛乳に話を戻すと、牛乳はカルシウムが豊富なばかりでなく、吸収されやすい形であることが、骨を丈夫にするというイメージにつながっています。
牛乳中のカルシウムの一部は、吸収されやすいカルシウムイオンの状態で含まれています。
また牛乳のタンパク質カゼインはカゼインミセルというコロイド粒子と呼ばれる形で存在し、やはり吸収されやすい形で含まれています。
さらに、乳糖など吸収を助けている成分も多く含まれています。
そのため、カルシウムの吸収率は、野菜が約19%、小魚や海藻が約33%であるのに対し、牛乳は約40%と高いのです。
骨を丈夫にするためには、カルシウムの吸収を促すビタミンDや骨への沈着を促すビタミンK2も必要です。
さらには、タンパク質やリン、マグネシウムも必要となります。
ですから骨を丈夫にして背を伸ばすには、牛乳のほかに、ホウレンソウなどの緑黄色野菜、小魚、納豆なども食べることが大事です。
超高齢社会の日本では、ますます骨粗鬆症予防対策が大切で、これらを積極的に摂ることが推奨されています。
おはようございます??
「コーラを飲み過ぎると歯や骨が溶ける」という都市伝説があります??
これには根拠があって、歯を炭酸水に長時間浸しておくと溶けるという研究結果があるらしい??
でも口の中を一瞬通るだけなら溶けないし、口から入った炭酸水が直接骨に触れることもないので問題なし???? pic.twitter.com/J9EiCdRX2m
— ひっこしするZooh(ひっこしするぞー) (@harimao007) February 17, 2022
本当に役立つ栄養学 肥満、病気、老化予防のカギとなる食べものの科学 佐藤成美 (著) 講談社 (2022/5/19) 1,100円
「食物繊維は体にいいから消化もいい」と語っている学生に、そもそも消化ができないものを食物繊維ということを説明すると、では「消化できないものが体に必要なのか」ときかれて、これは正しい食の知識が必要だと感じた著者。
体にいい、悪いで語られがちな食べものについて、多くの人がわかっているようでわかっていないという実態を感じて、現在わかっている食の科学を理解し、正しい情報の受け取り方ができるようにという思いで執筆した1冊。
栄養学的な面と、複雑な体の代謝のしくみをなるべくやさしい言葉で解説します。
食品によっては、時代的背景も関係していたり、健康ブームの空気にのって「良い食べもの」になっているものも。
食と代謝はまだまだ解明されていないことも多いのですが、わかっていることをクリアにしながら、誤った認識に陥らない方向を示します。
序章 食べもの、その正体とは
第1章 食べものに含まれる栄養素の真実
第2章 消化と吸収から考える食べもの
第3章 体のなかで栄養素はどんな動きをしているのか
第4章 血液という体液から考える食べもの
第5章 筋肉、骨、皮膚と食べもの
第6章 脳と神経に作用する食べもの
第7章 健康な食べものは本当に体に良いのか
そういえば、歯と脳が溶けるという理由で小さい頃はコーラ飲むの禁止でした。その反動で大人になってからコーラ飲みまくってるけど、とりあえず歯は溶けてません。
— 脳みそガールちゃん@うろんちゃんもぐもぐ杯選手権者 (@pomemememememe) September 18, 2021
ネットの声
「私はその給食の『脱脂粉乳』をお湯で溶かしたものが大嫌いで、たぶん学校のみんなが嫌いだったと思う。5年生になって瓶入りの牛乳が給食に出るようになって、みんな大喜びだった。中学以降は自主的に1日1Lも飲んだが、背は伸びなかった。でも骨は確かに頑丈になったみたいで、中学からずっと格闘技の部活をやっているが、骨折を経験してないのは全部員の中で私だけだ。」
「身長の高い子が牛乳嫌いですって言ってて身長とは関係ないんだなと思いました。自分は牛乳大好きで1日一本レベルで飲んでたけど、伸びなかった。
チョコレート大好きな子(運動会の飲み物にアイスココア選ぶレベル)も肌は綺麗でニキビなかったし。
でもつい信じちゃう……もしかしたら……って思ってしまう。」「巷ではいろいろな食品に関して、~が健康に良いとか~が健康に悪いとか、いろいろ言われている。そのような発言は定性的なもので、量に関して踏み込んで言う定量的な観点が欠如していることが、本書を通して感じたことである。塩分に関する説明では、とくにそれを思った。
ダイエット法で、「野菜を先に食べるとよい」とか「有酸素運動がよい」とかいろいろ言われており、私も少し実践している。それらはプラス効果ありという内容で書かれており、ほっとした。
ビタミンDと骨に関しては他書にも書かれており、改めて大切なことだと思う。
本書では、やや専門的な単語が多く使われているが、これは仕方がないことではないだろうか。
栄養学は今後ますます発展する分野だと確信したが、心理学との垣根を超えて、融合した研究も考えられないかと私は考えた。なぜならば、食事をとるときの精神状態も微妙な影響を与えていると想像したからである。」
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