“いきなりLINEはないわ…”Z世代が恐れる年長世代のSNSマナー不足

「いきなりLINEはあり得ない!」Z世代が怖いと感じる、年長世代のSNSコミュニケーション

いまや当たり前のコミュニケーション手段としてSNSを使っている人は多いのですが、世代によってSNSの使い方に差があることから、「年長世代からのSNSのアプローチが怖すぎる!」と感じる若者は少なくないそう。

特に1995年~2005年頃に生まれた「Z世代」の若者たちは、幼少期からインターネットに慣れ親しんできた「デジタルネイティブ世代」。

彼ら/彼女たちの世代特有のSNSの使い方があるのです。

では、年長世代が知らず知らずのうちにZ世代の若者たちを怖がらせているSNSコミュニケーションとはどのようなものか?

現役学生たちにリアルな話を聞きました。

初対面のバイトリーダーが「LINE教えて」

この春から、商業施設の中にあるカフェでアルバイトをし始めた、女子学生・Sさん(19歳)が語ります。

「初対面でバイト先の30代のバイトリーダー的な男性が、『君、LINEのQRコード出して。交換しよ』とスマホを見せてきたことがありました。大学生になったらアルバイトを頑張りたいと意気込んで面接をして、やっと合格してホッとしていたときに、突然知らない男性からLINEを教えろと言われて、正直、怖かったです。

でも、バイト先での人間関係が悪くなったら嫌だし、うまく断れなくてQRコードを見せてしまいました。向こうにとってLINEは手軽な連絡手段と思っているかもしれないですが、私の周りでは合コンとかをしても絶対に最初はインスタ(Instagram)のアカウントを交換して、DMで交流するんですよ。嫌だったらブロックできるので。

LINEはもっとプライベートなものだし、深い人間関係になってからでないと交換したくない。大学の友達に相談したら、彼女たちも『それは怖いね』と共感してくれました」

年長者からFacebookで突然の友達申請

国立大学の大学院で学ぶ男性・Bさん(23歳)も、年長者とのSNSコミュニケーションで悩んだ経験があるそう。

「僕は“見る専用”でFacebookのアカウントを持っています。あるとき学会発表で顔を合わせた他大学の教授から、突然Facebookで友達申請が来たんです。基本的に大学時代の友人や地元の友人しかフォローしていないので、過去の投稿は友人の結婚式の写真とか、プライベートな旅行の写真とかをアップしたもの。大学院生や教授陣など、研究関係の人たちはほぼFacebookで友達にはなっていません。とはいえ相手が偉い教授なので、申請を無視することもできなくて……。数日後に許可をしたら、メッセージで『今後もよろしく』といった挨拶が送られてきました。

一度挨拶しただけの関係性で、僕個人のアカウントを検索して見つけ出して、友達申請をするというのは、どうなのか……。学会で会ったときにちゃんと名刺交換しているのだから、友達申請ではなくて、大学のメールアドレスに連絡をして欲しかったです。

もちろん、先方に投稿を表示させない方法もあるのですが、『見られるストレス』と『非表示にしたら失礼かも』という気持ちの間で、どうすればよいのか正解が見つけにくくて、モヤモヤしましたね」

ゼミの教授から「LINEグループを作りましょう」

大学3年生の女性・Cさん(20歳)は、ゼミの教授の提案に驚いたそう。

「今年から大学のゼミがスタートしました。初回で自己紹介をしたあとに、ゼミの教授がいきなり『じゃあ、ゼミのメンバーでLINEグループを作って。そこに自分も入るので連絡はLINEグループでしましょう』と発言したんです。ゼミの先生は40代くらいの男性。

正直、『うわ、ダルッ!』って思いましたね(笑)。大学の仲良くもない子や教授にLINEのアカウントを教えたくないし、そもそもLINEグループを嫌がる子も多いです。ある男子学生が、『LINEグループじゃなくて、メーリス(メーリングリスト)じゃダメですか? LINEだと個人的な情報とかもあるので……』とどうにか説得してくれたので、教授も渋々受け入れていました。LINEってプライベートなものだし、距離感を間違えるとセクハラやパワハラにもつながる懸念もあるので、公的な連絡手段で用いるのは違うと思います」

「Twitterやってる?」の質問はパワハラか

現在、就職活動中の大学3年生の女性・Dさん(21歳)は、最近こんな経験をしたそう。

「就活関連で知り合った企業の男性で、40代くらいの方がいました。趣味を聞かれて漫画が好きだと話したら、『俺もアニメとか漫画、結構詳しいよ。○○ちゃんってTwitterやってる? アカウント教えてよ!』と言われて。なんで就活で出会っただけの人に自分のTwitterアカウントを教えないといけないのか、すごく気持ち悪かったですね。

その場では『以前はやってたんですが、アカウント消しちゃって(笑)』とごまかしたんですが。帰り道で、『鍵アカ5つ持ってるわ! でも友達でもないおじさんに教えるわけないじゃん!』と、怒りと怖さでイライラしました。これってパワハラみたいなものじゃないですか? 就活生という弱い立場だから、相手の機嫌を損ねないように気を遣わなければならないのも、すごく不快でした」

一口にSNSと言っても、若い世代はSNS毎に適切な距離感を使い分けています。

それを知らない年長世代が積極的にコミュニケーションを取ろうとして、不快な思いをさせてしまうケースも少なくないようです。

ネットの声

「いつの時代もそうだが、若い人は中高の均質な仲間内で培われたクローズドな連絡方法を共有しているから、大学進学や就職でほかの人とやり取りするのに軋轢が生じるのは仕方ない。
お互い歩み寄ってどうにかするしかない。
しかし、最近気になるのは、単に嫌だとか、おじさんが遅れてるとかではなく、気持ち悪いとか、更にはそれは違う!みたいな上から全否定みたいな態度を簡単にとり、それをメディアも肯定しているように見えることだ。
年上側も、ごちゃごちゃ言われたら、それなら連絡方法は知らなくて構いません、それでお互い困っても仕方ないよね、と言えることがわからないのでしょう。
もちろん、周りを見ていると、そんな独善的な若者は少数派で、不愉快になる場面は極めて少ないが、メディアが煽る世代間の差が広がれば、本当に意思疎通は困難になるのだろう。」

「インスタでブロックするのなら、LINEだってブロックすりゃ良いのでは??
そもそも、怖いと思う基準がズレている。
保護すべき情報は開示していたりするのに、LINEはしませんとか、意味がよく分かりません。というか、大いに間違えています。
特に思うのは、開示している写真も背景の情報にはもっともっと配慮が必要。」

「正社員だって、仕事の業務連絡をLINEでやることはあるんだし、バイトならより可能性高いと思う。その場合伝える方もその旨付け加えた上でLINE教えてと伝えるべきだと思うし、いきなり聞かれて怖いとか不快だと思う気持ちも分からないでもない。
でも所謂Z世代の人達、加工をしてるとはいえ自撮りだのtiktokで自分の映る動画もあげて、ハンドルネームは本名そのままだったり、本名かすってたりでネットに自ら個人情報ばんばん上げておいて怖いとか面白いこと言うなという気持ちもある。」

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