なぜ新車は「消えないライト」増えた? 車中泊では「困惑」の声も! 相次ぐ義務化で「オフ出来ない車種」も増加か
夜間に走行するうえで、クルマのヘッドライト・テールランプといった灯火類は、非常に重要な装備です。
以前までは、運転手が手元のスイッチで完全にオンオフを切り替えることができた灯火類ですが、最近では、オフにすることができないモデルも登場しています。
なぜ、オフにできない仕様となっているのでしょうか。
目次
ライトの自動点灯化!ライトのオフができないのはなぜ?
かつて、クルマのライトといえば、日が落ちてきた時間帯やトンネルなどの暗い場所において、運転者自身がオン/オフにして活用するのが一般的でした。
しかし、最近のクルマでは、そもそもオフにすることができないモデルも存在しています。
ライトをオフにできないというのは、一体どういうことなのでしょうか。
国土交通省では「オートライト」の搭載を義務化しており、新型車が2020年4月以降から、継続生産車が2021年10月から適用されます。
国土交通省「道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令等について」では、以下のように明文化されています。
「すれ違い用前照灯(ロービーム)について、以下の要件に従って、周囲の明るさ(照度)に応じ、自動的に点灯及び消灯する機能を有さなければならないこととします。
また、このうち、自動点灯にかかわる機能については、手動による解除ができないものでなければならないこととします」
実際に市販されるモデルでは、前述の義務化前後に発売されたモデルでは、自動でライトの点灯がする以外にスイッチのデフォルト位置が「AUTO」のものや「OFF」がなくなっているものなどが存在します。
これが噂の、オートライト装着義務付け対応車両か。
(オート又は常時点灯が定位置。停車時しかオフにできない。) pic.twitter.com/4hQSXcbKK2
— HRD (@HRD300BLACKOUT) June 5, 2020
ライト不点灯車をなくしたい
例えば、ダイハツの軽自動車「タント」はこれまで「オフ」、「オート」、「スモール」、「ヘッドライト」でしたが、2019年7月に発売されたモデルでは「OFF」「AUTO」「ヘッドライト」の3つになります。
さらに「オート」がデフォルト位置になり、オフに切り替えても走行時にはライトが自動的に点灯する「デフォルトオート」と呼ばれる仕組みが採用されました。
また、2020年3月に発売された日産の軽自動車「デイズ」では、先代モデルまで存在した「オフ」が無くなり、どのポジションであっても「ライトは必ず点灯する構造」に変化しています。
では、ライトオフができなくなり、点灯が自動化した背景には、どのような理由が挙げられるのでしょうか。
国土交通省では「とくに薄暮時における我が国の交通事故実態」を考慮して、オフ機能の廃止ならびライトの自動点灯化に踏み切ったとしています。
また、国産メーカーの担当者は以下のように説明します。
「これまでの場合、夜間や薄暮時にヘッドランプを点灯せず走行しているユーザーがおりました。
早めのライト点灯は事故防止にも繋がるほか、一定の暗さでは必ずヘッドライトを点けないといけない『オートライト義務化』もあり、オートヘッドライトは普及しています。
また、オフを無くすのはメーカーや車種によって異なりますが、できる限りオフの時間を無くすことで、自車の視認性や他者からの認知が早まり事故が減ることに繋がります」
AUTOつけるのはいいけど
オフもつけてくれやー、
非常に不便サンキュー ライトカット
できないし積み込みしてて
暗くなれば勝手に点くし夕方寝て
夜中まで寝てる人は
いつの間にかライト点くだろうし pic.twitter.com/c1OiO2DYDL— こよし (@ipoy1022opim) October 5, 2021
オートキャンパーからは不満も
2017年から2021年までの間で発生した死亡交通事故は警察庁の調べによると、事故が多い時間として「日没時刻と重なる17時台から19時台」の発生率が高いうえ、クルマと歩行者によるものが大半を占めているようです。
こうした背景から警察庁では「薄暮時間帯や夜間に交通事故に遭わないようにするため、反射材・ライトを活用することが効果的です」と呼びかけていいます。
一方でオートキャンプや車中泊を楽しむ人からは「キャンプ場や道の駅で夜間にヘッドライトが点灯すると『光害』が心配」という特殊な状況下における「ライト事情」に困惑する声も見受けられます。
しかし、これらの場所ではそもそもの街灯が少ないなどということもあり、自車の視認性や他者からの認知という意味では効果を発揮することのほうがメリットとしては大きそうです。
自動車の、暗くなると自動的にライトがつく「オートライト」が義務化されたらしい。運転手の判断でオフにできない(暗いのにライトをつけない車をなくす)とのことだけど、そしたら夜間、コンビニとかにエンジンをつけて駐車している車は、これからやがて全台ライトがついた状態になるのではないか。
— 大西科学 (@onisci) April 1, 2020
ネットの声
「自分がよく遭遇するのは、市街地、繁華街での(恐らく)点灯し忘れ。特に雨天時は多い。街灯が乱反射して気付かないのだと思うが、これは、薄暮時に点灯しないこと以上に周囲を危険にさらすのではないかといつも思う。実際、雨の夜に無理に前を横切られたりすると、対向車としては直前まで視認できなくて怖い思いをすることもある。
昔の(あまりスペックが高くない)車は、消灯状態だとメーター部分の照明も真っ暗で見えないがゆえに、消灯状態に気付かずに走行することはまずなかったが、今の車は、メーターの視認性向上のためか消灯状態でもメーター部分が明るいため、消灯状態に気付かないのだと思う。
その意味では「常時点灯」はありがたいが、他の方も指摘されているように、踏切待ちなど傾斜があるところで対向車に申し訳ないので、「常時点灯」でもスモールに切り替える機能は残してほしい。」
「昔の車は周囲が暗くなるとメーターも見難くなったので、そこで気付いて点灯していた面があるけど、今は殆ど自発光メーターになっているのでメーターが見難くなることが無い。これが無灯火を誘発しているので自動化は基本的に賛成。
ただし、国内メーカーは全般的に点灯基準が暗すぎると思う。輸入車が点灯している状況でも国産車は点いていないことが殆ど。輸入車ユーザーが皆意識が高い訳ではないと思うので、もっと早目に点灯するようにすべきでは。
最近は光源がLEDなので駆動回路が必要だが、照度の制御は容易になっている。信号待ちで対向車のヘッドライトに目つぶしを食らう事も多いので、状況に応じて照度を絞るような制御も入れて欲しい。」
「オートライトは鬱陶しいです。路肩や駐車場停止時もライト点灯。
人間自動制御に慣れると自分で考える力が無くなるので命を預かる自動車を運転する自覚のある人がどんどん減っていきます。
今時の車はライトが非常に眩しいので路肩停止時にヘッドランプ点灯していてのハザードランプは至近距離まで近づかないと判別出来ません。
非常に危ない行為かと思います。
全て自分で考えてどうするべきが考える力があっての自動車免許証かと思います。
私は長い時間走行していてトンネル通過等でライト点灯や消灯を忘れた時は安全に運転する状態では無いと感じて必ず休憩を入れるようにしています。」