
マーベル映画の人気に陰り?…興行収入は上々だが、批評家や観客の評価は低下
最近のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画は、CinemaScore(シネマスコア)や批評家の評価が低迷しています。
目次
ほとんどの作品は興行的には成功
テレビシリーズも含めMCUが拡大することで、消費者は視聴する作品を厳選する可能性があります。
10年にわたる空前の成功の後、マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe:MCU)は失速しているようにみえます。
しかし、14年間で29本の映画を製作し、全世界で250億ドル(約3兆4237億円)以上の興行収入を記録している史上最大の映画シリーズが打ち負かされたというには程遠い。
実際、2022年7月23日にディズニー(Disney)傘下のマーベル・スタジオ(Marvel Studios)がマンガを中心としたポップカルチャーのイベント「サンディエゴ・コミコン2022(San Diego Comic-Con2022)」で行ったプレゼンテーションでは、将来について楽観的な見通しが示されました。
今までで1番好きなマーベルのオープニング pic.twitter.com/PXdlV26DYS
— 白 (@anoanoano_74) August 2, 2022
ここ数作品は観客の反応が鈍い
しかし、マーベルの鎧に現れてきた亀裂を無視することは難しい。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を除けば、ここ数作品は観客の反応が鈍いものになっているのです。
2021年11月に公開された『エターナルズ』は、観客が評価する「CinemaScore(シネマスコア)」で公開初日にB評価がつけれらました。
これはマーベル史上、最低の評価です。
『エターナルズ』は世界で4億200万ドル(約550億5300万円)の興行収入を上げましたが、これは今日のほとんどの大きな予算が投じられた映画、特にMCU映画としては期待はずれの数字です(もちろん2021年11月には映画館の入場者数自体が低迷していたのだが)。
マーベル好きにはたまらないイラスト! pic.twitter.com/7M2zoUJh5E
— Tsuba? (@TubaGoma) July 29, 2022
多作で疲労感
2022年に公開された『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』と『ソー:ラブ&サンダー』は、いずれもBプラスの評価を受け、下から2番目に悪い成績となってしまった。他のMCU映画はすべてAマイナス以上の評価を得ているのです。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』と『ソー:ラブ&サンダー』の興行成績は上々です。
前者は9億ドル(約1177億円)以上、後者は中国を除く2週間の世界興収が6億ドル(約822億円)で、前作 『マイティ・ソー バトルロイヤル』 と同様にヒットしました。
つまり、CinemaScoreの評価がすべてというわけではなく、収益を上げ続けている限り、このシリーズがなくなることはないでしょう。
しかし、評価の低下は2008年のMCUの開始以来、マーベルが直面したことのない観客のいらだちを示しているのです。
今後3年間で少なくとも12本の映画やテレビ番組が公開される予定であり、マーベルがより多くのコンテンツを増やしていくにつれ、疲労感が生じていく可能性があります。
しかし、作品の質は、作品の数と同じか、それ以上に重要な要素になるでしょう。
マーベルの下請けの労働環境が酷く告発されていることが話題になっている。以前もツイートしたけど俺はマーベルの出演スター達に莫大なギャラが支払われるのも問題だと思っている。映画の製作費はもっと技術関係に支払われるべき。これはジェームズ・キャメロンも苦言を呈していた。
— 破壊屋ギッチョ (@hakaiya) July 27, 2022
批評家は『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、MCUの作品は方向性を欠いていると言う
MCUの現状を指摘したのは、今回が初めてではありません。
これらの映画は、批評家からマーベル映画の中でも最低の評価を受けてもいるのです。
10年以上におよぶストーリーを締めくくった2019年公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後、MCUは方向性を失ってしまったと不満を漏らす人もいます。
映画業界およびレビューのウェブサイト、Indiewire(インディワイア)のデイビット・アーリック(David Ehrlich)は、『ソー:ラブ&サンダー』のレビューで「この映画は『アベンジャーズ/エンドゲーム』後のMCUの“無目的性”を突きつけている」と書いています。
The Ringerのポッドキャスト「ザ・ビッグ・ピクチャー(The Big Picture)」の2022年7月12日のエピソードには、「マーベルの危機を解決する5つの方法(Five Ways to Fix the Marvel Crisis)」というタイトルがつけられています。
エンターテイメント・ジャーナリストのマット・ベローニ(Matt Belloni)は、2022年5月11日の自身のポッドキャスト「ザ・タウン(The Town)」で、「マーベルは質に問題があるのか?」と疑問を投げかけているのです。
さらにディズニープラス(Disney+)のオリジナルドラマの配信があります。
ディズニーは視聴率の数字を公表していないため、その成功を測るのは難しいのですが、第三者のデータから、その一端を垣間見ることができます。
アイアンマン2のナターシャ、えぐすぎない?かわいい…。 pic.twitter.com/SClNhPcNix
— marvel好きなやつ.(アース616出身) (@Marvel_MCU5512) August 3, 2022
ネットの声
「コロナで公開順が前後したり、Disney+でドラマシリーズでの配信が増えたりと色々な変化がありますが、エンドゲームという映画史に残る一本を作成したあとで一度人気が下降傾向になる事はケヴィン・ファイギも予め想定しているとは思います。
配信作品が増えた事で観るべきストーリーが増えたり追いつかない部分もあることは事実ですが、逆に捉えればきっとこの後待ち受けるフェーズはそれだけ膨大なストーリーが必要不可欠なんだと思います。
いずれにしてもインフィニティーサーガというあれだけ面白いシリーズを確立したMARVEL。今は下降傾向かもしれないけど、絶対この後また面白くなる期待を込めて次の展開も楽しみに待ちたいと思います。」「エンドゲームで山の頂上に達した後、更なる高みを目指すには作る側も見る側も時間が必要なのでは
今は階段の踊り場の段階。
聞くところによるとフェーズ4はあと2作で区切りとか。
このフェーズの評価はなかなか難しいですが、新しいファン層を呼び込んだことは確かでしょう。
一つ危惧というか心配なのは、ディズニープラスでの配信ドラマとの関係。
あくまで劇場映画が主で配信ドラマはスピンオフや前日譚という位置付けならいいのですが、配信ドラマを見ていることありきで劇場映画のストーリーを紡がれるとついて行けない観客も出てきます。
商売としては配信の加入者を増やしたい目論見は分かりますが、誰もがディズニープラスに入るほどの熱心な客というわけではなく、その辺も踏まえてディズニーが舵を切るのであれば致し方ありませんが。」「ソーもストレンジも面白かった。
ただ、皆さん書いてるように間隔の短さ、ドラマなどの派生が多すぎて見る側が疲れてしまうのが原因の一つでしょうか。
また今までの流れを知っていることが前提なので単品の映画として見た場合派手なアクション以外の見所がイマイチになりがちでもあります。追い続けてる人にはニヤリとできるシーンもマーベル初見やスポットで見てる人には刺さらないですよね。
レンタルショップに並ばなくなったりディズニープラス以外での配信が激減したりで後追いもし辛くなりますます人には勧めづらくなってきたのも悲しいです。」