あの胸が岬のように遠かった 永田和宏 (著) 新潮社 (2022/3/24) 1,870円

熱く、性急で、誠実でありたくて傷つけあった――。

「二人の人を愛してしまへり」――没後十年、歌人の妻が遺した日記と手紙300通から夫が辿り直す、命がけの愛の物語。

「知らぬまま逝ってしまった きみを捨て死なうとしたこと死にそこねたこと」
「わたくしはあなたにふさはしかつたのか そのために書き、書き継ぎてなほ」。

ロングセラー『歌に私は泣くだらう――妻・河野裕子 闘病の十年』、最期の日まで愛を詠み続けた二人の物語は、この青春の日々から始まった。

反響を呼び、「書籍化はいつ」と問い合わせが相次いだ長期連載、ついに発売! !

連載名「あなたと出会って、それから……」

NHKドラマ「あの胸が岬のように遠かった~河野裕子と生きた青春」原作

柄本佑さん(永田和宏役)、藤野涼子さん(河野裕子役)さんが主演、初回放送はNHK4Kで2022年3月30日(水)朝3時半から、NHKBSプレミアムで22年春放送予定

NHK BS1スペシャル「ほんたうに俺でよかったのか」(2022年2月25日放送、3月10日再放送)で大注目

<目次>
はじめに

湖に降る雪ふりながら消ゆ
風のうわさに母の来ること
消したき言葉は消せざる言葉
手を触るることあらざりし口惜しさの
わが十代は駆けて去りゆく
青春の証が欲しい
さびしきことは言わずわかれき
二人のひとを愛してしまへり
あの胸が岬のように遠かった
きみに逢う以前のぼくに遭いたくて
わが頬を打ちたるのちに
わが愛の栖といえば
はろばろと美し古典力学
泣くものか いまあざみさえ脱走を
おほよその君の範囲を知りしこと
「夏がおわる。夏がおわる。」と
寡黙のひとりをひそかに憎む
今しばしわれを娶らずにゐよ

附記
おわりに


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