40代で介護職転職…どんなキャリアプランがあるの?

介護職のキャリアアップについて、40代で転職した場合を想定して具体的に考えてみましょう。

40代で介護職に転職する場合、以下のようなキャリアプランの選択肢が考えられます。

Contents

STEP1:初任者研修、実務者研修を修了し資格保有者になる

何はともあれ、まずは介護職員初任者研修、または介護福祉士実務者研修を修了して、介護の基礎知識を有する資格保持者になりましょう。

「介護職員初任者研修」とは

  • 介護職として働いていくための、いわば入門資格
  • 介護職として働くうえで必要な基本的な知識、技術を研修で習得する
  • 旧ホームヘルパー2級に相当する資格


「介護福祉士実務者研修」とは

  • 初任者研修の上位資格で、より実践的な介護知識や技術を習得する
  • 修了すれば、たんの吸引など一部の医療行為も行えるようになる
  • 国家資格である介護福祉士資格の受験に、修了が必要

介護職では、資格の有無が給与や利用者、上司・同僚からの信頼度に大きく影響します。

40代から介護職に挑戦するなら、とにかく手の届くものから資格を取っていきましょう。

ちなみに、初任者研修も実務者研修も受験資格はありません。

どちらからでも受講できますが、介護の知識や実務経験がない状態から修了をめざすのであれば、初任者研修から実務者研修の順に受けた方がスムーズです。

STEP2:介護福祉士資格を取得し介護現場のプロフェッショナルになる

介護現場での実務経験を3年以上積み、かつ、実務者研修を修了した人は、介護業界唯一の国家資格「介護福祉士」を取得する権利を得ます。

「介護福祉士」とは

  • 介護現場のプロフェッショナルとして、高齢者とその家族に寄り添う
  • 利用者だけでなく、共に働く介護職員を教育・指導・管理する
  • より上位の介護系資格(一部)を取るための、受験資格して必要

今後のキャリアプランにかかわらず、介護現場での経験を3年以上積んだら、介護福祉士資格を取得しておきましょう。

どのようなキャリアを歩むにせよ、介護業界で働く40代をきっと助けてくれるはずです。

ここまでにかかった期間は最短で3年。40代になってから介護職に転職しても、50歳までにはたどり着けそうですね。

さて、この後のキャリアは本人がどのようなキャリアパスを望むかにより変わってきます。

考えられる将来像を、A・B・Cの3つのパターンに分けて、紹介していきますね。

STEP3-A:これまで取得した経験と資格を活かし施設内で昇進をめざす

勤務先が働きやすく気に入っている、または、ずっと介護の現場で働き続けたい場合には、施設内でマネジメント職への昇進・昇給をめざす道が考えられます。

まずは主任やリーダーなど、現場で他の職員を監督する立場をめざし、その後は介護長や施設長、事業所長などへの昇進に向け頑張ってみましょう。

昇進すると勤続年数と資格への手当に加え、役職手当も出るようになるので、30万円前後までの給与アップが見込めるでしょう。

介護の仕事探しなら【ファーストナビ介護】

STEP3-B:現場の外から介護業界に貢献する各種専門家をめざす

介護現場ではなく、現場の外から介護職員と高齢者・家族を支えていきたいなら、訪問介護事業所のサービス責任者やケアマネージャー、生活相談員などをめざしましょう。

「サービス提供責任者」とは

  • 通称「サ責」、訪問介護事業所においてすべての監督・責任を負う立場
  • ホームヘルパーの指導や管理、教育、利用者間とのトラブル対処などを行う


「ケアマネージャー」とは

  • 介護職が高齢者に介護サービスを提供するための、ケアプラン作成を担当
  • 介護の現場はもちろん、介護にまつわる保険制度や法律まで知り尽くす


「生活相談員」とは

  • 実際に高齢者が施設に入居するまでに相談援助、指導業務を行う立場
  • 介護職だけでなく、ケアマネや高齢者・家族とも密に接し連携を取る

いずれの道を選んでも資格が必要ですし、まず資格試験を受けるための受験資格を満たす必要もあります。

資格を取得し、再び転職したり事業所を起こしたりするには、時間もお金もかかります。

自分が今後、どのようなかたちで介護にかかわっていきたいのか…。

よく考えてキャリアプランを立て、逆算して準備を進めてくださいね。

STEP3-C:医療系国家資格を取得し介護現場での貢献をめざす

介護に加え、看護師や作業療法士、理学療法士などの医療系資格を取得し、自分がかかわれる介護療育を増やして医療・福祉への専門性を高める道です。

看護師資格があれば、介護系の資格だけではできなかった医療処置ができるようになり、現場でジレンマやストレスを感じることが減るでしょう。

また作業療法士、理学療法士の資格があれば、心身に障がいや不自由を持つ高齢者の回復に貢献できます。

いずれも「介護職を経験した医療者」という視点を強みに活躍できますが、いったん退職して学校に通い、数年間勉強したうえで国家試験に合格しなければなれません。

これまでに紹介したキャリアプランのなかで、最もお金と時間のかかる道です。

それでも志があり、決意が固いなら、退職と進学を検討してください。

やり遂げられれば、努力に見合った報酬と周囲からの信頼を勝ち取れるでしょう。



おすすめの記事