あなたは、人生を全力で「生きて」いますか?
37歳までにチャンピオンにならなければ強制引退。
崖っぷちのB級ボクサー・米澤重隆に残された時間はわずか9ヶ月。
命がけでクレイジーな挑戦から目が離せない。
世界ランカーとの最終決戦、その行方は!?
奇跡は起きるのか――。
一瞬に人生を捧げた男の生き様に触れると、ただ心が騒ぎ出す。
大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞の最終候補作にもなり話題を呼んだ傑作ノンフィクションが待望の文庫化!
『一八〇秒の熱量』山本草介(双葉社)はもう読み出したらやめられません!すっかり自分もリングに上がっているかのような興奮に包まれ最後は真っ白な灰に。ボクシングのノンフィクションといえば沢木耕太郎の『一瞬の夏』という金字塔的作品があるけれど、勝るとも劣らぬ作品ですね。いやーすげえや。 pic.twitter.com/v48cYWzbEO
— 杉江由次 (@pride_of_urawa9) September 15, 2020
「年齢制限を間近にした中年ボクサーの最後の挑戦を記録した一冊。「もうすでにポンコツだからとか 勝ち目があるとかないとか そんなことじゃない 俺はそうやってここまで来た そしてこれからもだ」これは『あしたのジョー』の主人公のセリフだが要するにそういう話なのだ。
ボクシングのラストラウンド、死力を尽くして闘うボクサーを見てなんだかわからないけど涙が溢れてくる。そんなわけがわからないけど熱い気持ちが込み上げてくる一冊です。ボクシングファンは是非読んで欲しい。」「引退回避できるのは、日本チャンピオンまたは世界ランカーに入ることのみだそうで、道のりは厳しい。
36歳でB級ボクサー米澤選手の働きながら激しいトレーニングを続け、オーストラリアでの世界ランク10位の選手との魂の対戦に感動しました。」「すばらしかった。テレビ番組のことはまったく知らずに読んだが、知らないだけにどきどき感がより味わえて、ありがたかった。
著者は、この素材を発見したテレビマンではなく、あまり気乗りがしない中で下請け的にディレクターをしたフリーランスだが、米澤選手に魅入られたように仕事を続けていく。そしてそれが世界ランカーとのマッチメイキングに結びつくという相乗効果があって、この本のクライマックスが実現されている。
著者は巻末で、あとは余生だと語る米澤を憂慮しているが、あまりにも熱すぎる体験をした著者を含めた関係者全員が、虚脱感のあまり余生に入った気がしてならない。著者にとっての処女作らしいが、こんなすごい作品をモノにしたんだもの、どうか同じくらいの熱量を発する次の対象を見つけて発表してもらいたい。」
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