思考力がある人のアタマの中身 福嶋隆史 (著) 大和出版 (2022/10/13) 1,760円

夢⇔目標、安心⇔安全、早い⇔速い、一部⇔部分、成功⇔幸福etc.

――これら2つの言葉の違いは何?

国語指導のカリスマが「考える力」を飛躍的に伸ばす方法を独自の視点から具体的に明示。

年齢を問わず、全ての人に役立つ必携書。

「(以下、第1章より)
以前、求人情報サイト「バイトル」(ディップ株式会社)のテレビCMに、興味深い内容がありました。

乃木坂46の齋藤飛鳥さんと白石麻衣さんが話しています。バイトルアプリのメリットを伝えようとしているやりとりです。

齋藤「探すんじゃなくて?」

白石「え・ら・ぶ・ん・で・す!」

というやりとりがあって、最後は、「探すから、選ぶへ」という字幕がついて終わります。

これがこのCMの骨組みです。

バイトルでは、(バイトを)探すのではなく、選ぶんです。

こう言われて、すぐに「ああ、なるほど、それはメリットだな」と思いますか?

正直なところ、「分かったような、分からないような」という感じですよね。

なぜでしょうか。

それは、「探す」と「選ぶ」が、対比になっていないからです。

もっと単純に言えば、反対語になっていないのです。

「探す」と「選ぶ」は、どう違うんだろう?

ちょっと注意深くCMを見ていれば、こういう疑問が自然にわいてくるでしょう。

実は世の中、このように「いや、だからさ、それどう違うのよ?」と問いただしたくなるメッセージが、そこかしこに転がっているのです。

今回のCMは制作者が意図的にやっている(わざと分かりにくくしている)可能性もありますが、一般的には、そういうケースは多くありません。

発信者自身は「これで分かるはずだ」と思っているのですが、受信者にしてみればよく分からない、というケースのほうが多いのです。

「分かったつもり」の情報発信。

何らかの主張を訴えかけようとするとき、この現象は簡単に発生します。

テレビ番組。ネット記事。配信動画。新聞記事。本や雑誌。

打ち合わせ。会議。面接。商談。プレゼン。あるいは単なるおしゃべり。

どこででも生じます。

あなたが発信者になることも、受信者になることも、どちらもあるでしょう。

どうすれば、「分かりやすく」発信できるのか。

「分かりにくい」情報を受信したとき、どうすれば「分かる」のか。

カギは、「反対語」にあります。

とりあえず、先のCMを例に考えてみましょう。
(続きは本書へ)」


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