ある本の一部から揺り動かされる記憶をたどり、つぎつぎと別の本のページをめくるうち、自分の記憶が間違っていたことに気づくと同時に、まだ読んではいなかったページの中から眠っていた記憶がよびさまされる……。
無数の記憶が重なり合い、コラージュされ、織りなされた11の小説とエッセイ。
巻末にエッセイ「50年、30年、70歳、30万円」を付す。
〈解説〉堀 千晶
金井美恵子の最新作品集『カストロの尻』(新潮社)。とりわけ好きなのは、金粉ショーの演者である男が愛する人に宛てた手紙のスタイルで物語られる2篇。ショーの相方女性に執心し、仕事も家庭も捨てて巡業先にやってきた男が登場して以降の展開が素晴らしいっ。→
— 豊崎由美@アンチ維新 (@toyozakishatyou) July 10, 2017
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