「最後にどんでん返しがあってね、面白かったです。思わず買っちゃいましたからね、クラシックのCDを。」<「ダ・ヴィンチ」9月号>と妻夫木聡さんも絶賛した音楽ミステリー。
祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。
コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。
ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞大賞受賞作。
結末はすぐ分かった。
ジャプリゾじゃないか!
まだ途中だからネタばらしじゃない。
さよならドビュッシーの黙示も明白。でも中山七里作品にはプロットだけでない魅力がある。ショパン練習曲10ー1の運指の技巧やハイリゲンシュタットの遺書が緻密に分析されている。
音楽批評として読んでも面白い。 pic.twitter.com/ej9VALkrbH— 井山弘幸 Literature&Music, Epicurism, Improvization (@brunnenberg1955) August 2, 2021
「音楽に対する知識が皆無なので、正直、途中で読んでいるのがつらくなる場面もあった。ピアノに対する主人公の思いが、これでもかというくらい描かれているのに、死んだ家族や従妹に対する描写の少なさに違和感さえあった(従妹なんて家族を失ってから、間もなく自身も死んでしまうひどい最期を迎えているのに)。主人公のピアノに対する情熱は(最初はほとんど惰性でやっている感じさえあったのに)本当にすごい。絶望の淵からピアノの技術を上げていく姿は、ほぼアメコミのヒーローのような超人的描かれ方さえしている。途中ミステリーであることを忘れてしまいそうにもなった。
でも最後の犯人披露では、「えっ、えっ、なに?」、「そうくるの?」、「すごいミステリー!」という感想で震えさえ来た。きっと続編も読んでしまうんだろうな。」「ラストの意外性にやられた感満載だが、その事実に岬が気づいていたことの伏線にも全く気づきませんでした。このシリーズもお気に入りになりました。」
「最後のまさかの大どんでん返し。犯人は想像つきながらも、そうきたか!面白かった。」
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