地図と拳 小川哲 (著) 集英社 (2022/6/24) 2,420円

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」

日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。

ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。

叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。

地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。

奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。

ひとつの都市が現われ、そして消えた。

日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。

日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。

【第168回直木賞受賞作】

【第13回山田風太郎賞受賞作】

【著者紹介】
小川哲(おがわ・さとし)
1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。『ゲームの王国』(2017年)が第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。『嘘と正典』(2019年)で第162回直木三十五賞候補となる。

「どこまでが史実でどこまでが空想なんだろうか。あまりにも詳細な設定や展開に作者の知識に驚かされる。直木賞受賞もさもありなんと納得。私も引揚者だから帰国の場面などそうだったのかと改めて知ることも多い。骨太の小説はいつまでも忘れない。」

「この著者の本は初めて読むが、600頁を超える大作である。巻末の参考文献を見ると満州と日中戦争に関する文献だけでなく、建築と都市計画に関する文献も含め膨大な資料を渉猟した労作であることがわかる。」

「面白すぎて読むのを止めるのが難しい小説に久しぶりに出会いました。無駄のない、しかし表現力と展開力のある文章に作家の力量を感じます。おそらく、ものすごく多くの取材、読書をしないとこれだけのストーリーは書けないでしょう。膨大な情報を、小川哲さんの脳を介して、こういった作品として読める、その凄さ、素晴らしさにも感動します。」


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