姑の遺品整理は、迷惑です 垣谷美雨 (著) 双葉社 (2022/4/14) 715円

郊外の団地で一人暮らしをしていた姑が、突然亡くなった。

嫁の望登子は業者に頼むと高くつくからと自力で遺品整理を始める。

だが、「安物買いの銭失い」の姑を甘く見ていた。

至る所にぎっしり詰め込まれた物、物、物。

あまりの多さに愕然とし、夫を駆り出すもまるで役に立たない。

無駄を溜め込む癖を恨めしく思う望登子だが、徐々に姑の知らなかった顔が見えてきて……。

誰もが直面する”人生の後始末”をユーモラスに描く長編小説。

著者について
1959年、兵庫県生まれ。明治大学文学部卒。
2005年、「竜巻ガール」で第27回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。
少子高齢化と介護、結婚難、熟年離婚、住宅問題など誰もが直面する身近な題材を取り上げた作品で支持を集める。
著書に『リセット』『禁煙小説』 『夫のカノジョ』『結婚相手は抽選で』『あなたの人生、片づけます』『あなたのゼイ肉、落とします』(以上双葉文庫)
『七十歳死亡法案、可決』『老後の資金がありません』『四十歳、未婚出産』『夫の墓には入りません』
『定年オヤジ改造計画』『うちの父が運転をやめません』『代理母、はじめました』『もう別れてもいいですか』など多数。

「大好きな柿谷美雨さんの作品、断捨離と今後の生き方について考え始めた自分に、今回もとてもしっくりくる内容でした。
断捨離時の描写や夫、友人との会話は臨場感たっぷり、「そうそう」「あるある」と思いながら楽しく読み進めました。
そして終盤はやはりホロっと…。
これがあるから、他にたくさん出回っている「捨てる」だけの断捨離本とは一味も二味も違うのです。」

「そろそろ断捨離をしなければ…と思っていたので、読んでいろいろ考えさせられました。
誰しも自分の親をひいき目に見るというのは理解できますが、結果的には、丸く収まり過ぎの感じがしました。」

「読み始めは、片付けできない故人の遺品整理に悩殺されて、恨み節を連発する文脈に違和感があった。しかし、煩わしい遺品整理の活動のなかで、人それぞれの人生の価値の多様性に気づき、学んでいく過程に、次第に共感を高めることができた。挑発的なタイトルの印象を良い意味で裏切る魅力的なストーリーに仕上がっている。納得できる読後感であった。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事