時間のしくみを科学する ギヨーム・デュプラ(著)、オリヴィエ・カーボネル(著)、遠藤ゆかり(翻訳) 創元社 (2021/9/17) 3,740円

「時間」の秘密が飛び出す、学習しかけ絵本

退屈なときは時間がいつまでも進まず、楽しいときはあっというまに過ぎてしまいます。

そのときの感情によって、ひとりひとりが感じる時間の長さは変わります。

でも、それとは反対の「客観的な時間」も存在します。

「いま、何時なの? 」

この質問に答えるために、人びとは試行錯誤を繰り返しながら時間を計る道具を発明してきました。

時間ごとに変わる影の長さを利用した日時計、歯車を組み合わせた機械式の時計、そして数億年に1秒しかずれない原子時計……。

でも、ちょっと待ってください。

どうしてそこまで正確に時間を計る必要があるのでしょう。

ヨーロッパでは、18世紀ごろまでは時を知らせる教会の鐘の音が聞こえるところまでが、ぴったり同じ時間を使える範囲でした。

ほとんどの人が同じ村で一生を終える時代では、遠く離れた場所までぴったり同じ時間である必要はなかったのです。

ところが19世紀に鉄道が発達すると、鉄道沿いに電信網が張り巡らされて、やっと広い範囲で「ぴったり同じ時間」が使えるようになりました……。

こんな楽しい時間のお話がこの本にはいっぱい。

そのほかにも、生物の命の時間、わたしたちの祖先や子孫の時間、夢の中の時間、いろんな時間の秘密が詰め込まれた、楽しい学習しかけ絵本です。

科学と論理的思考が学べるので、子どもも大人も一緒に時間の謎に挑戦してください。

〈もくじ〉
時間って、ひとつじゃないの?
心臓の鼓動の時間
人生の時間
生物によってちがう寿命
代々つづく一族の時間
歴史の時間
地球はいちばん大きな時計
時間をはかる
暦の時間
どこでも同じ時間なの?
さまざまな感情の時間
時間のなかを旅する
夢の時間

著者について
ギヨーム・デュプラ
古今東西の宇宙観やさまざまな文化における時間のとらえ方を研究し、その成果を目で見て誰にでもわかるような作品にしている科学絵本作家。
著書『地球のかたちを哲学する』(西村書店)で、2009年度のボローニャ国際児童図書賞(ノンフィクション部門)およびフランス青少年図書賞を受賞。
ほかに『仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界』『宇宙のすがたを科学する』(ともに創元社)がある。

オリヴィエ・カーボネル
グラフィックデザイナー。1989年から独学でポップアップの制作を行うほか、イラストや彫刻の制作にも取り組んでいる。

遠藤 ゆかり
上智大学文学部フランス文学科卒。おもにノンフィクションの出版翻訳を手がける。
訳書に「知の再発見双書」シリーズ、『イーダ』『驚異の未来生物』『世界図書館遺産』
『100の傑作で読む新約聖書ものがたり』『100の傑作で読むギリシア神話の世界』
『ビジュアル版 子どもの権利宣言』『新型コロナがやってきた』(いずれも創元社)
などがある。


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