きのうのオレンジ 藤岡陽子 (著) 集英社 (2020/10/26) 1,760円

「弱音を吐かない人は、いつだってひとりで闘っている」

がん宣告を受けた<彼>と、彼を支える<家族>の物語。

心揺さぶられる感動長編。

三十三歳の遼賀が受けた胃癌宣告。

どうして自分が……涙が溢れてきて、恐怖で震えが止まらない。

その時、郷里の岡山にいる弟の恭平から荷物が届く。

入っていたのは、十五歳の頃、恭平と山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴。

それを見た遼賀は思い出す。あの日のおれは、生きるために吹雪の中を進んでいったのだ。

逃げ出したいなんて、一度たりとも思わなかった――。

【著者略歴】

藤岡陽子(ふじおか・ようこ)
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が、宮本輝氏選考の北日本文学賞の選奨を受ける。09年『いつまでも白い羽根』でデビュー。著書に『手のひらの音符』『晴れたらいいね』『おしょりん』『満天のゴール』『跳べ、暁!』などがある。現在は、京都の脳外科クリニックに勤めている。

「主人公の人柄に対する母の考察に心をつかまれるものがあった。かくありたし。」

「辛く悲しい話なのに、心が暖かい気持ちになる。自分の価値や生き方を考えさせられる本でした。」

「こんなに悲しい本を今まで読んだことがあっただろうか。。。と言うくらい心に残る素晴らしい作品でした!だから、あたしは、「ホイッスル 」も買って読んでみる。」


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