魔の山 ジェフリー・ディーヴァー(著)、池田真紀子(翻訳) 文藝春秋 (2021/9/24) 2,750円

ヘイトクライムの犯人を捕らえた流浪の名探偵ショウは、背後に自己啓発カルトがあるとにらんで潜入するが…。

好評新シリーズ第二弾。

「2021/3月に読んだ「オクトーバー・リスト」以来のディーヴァー。今回は、2020/9月に読んだ「ネヴァー・ゲーム」に続く懸賞金ハンター<コルター・ショウ・シリーズ>第二弾。「魔の山 コルター・ショウ “The Goodbye Man”」(ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋)を一気読みしました。「ネヴァー・ゲーム」のエンディングから開幕するネヴァー・エンディング・ストーリー。」

「どんな困難な状況になっても、どんな苦境に対する脱却スキルや蘊蓄を垂れようとも、なぜかスルリとその危機を乗り越えられる都合の良さが現れて、主人公はそのスキルや蘊蓄を駆使する前に自然と情況が彼に味方するのである。ま、その点では、まさにご都合主義の、突っ込みどころ満載の小説なのだが、ニクめない。なにかとツイている主人公には、作者が意図的に情況をラクにしてやっているのだろうと思わざるを得ないほどの依怙贔屓ぶりなのだが、それもご愛敬。」

「重罪犯や失踪者を捜し、断崖絶壁を登り、オートバイで高々とジャンプして自分の限界を試すことに活路を見いだそうとするエクストリームなコルター・ショウ。彼ほど、正しい答えに初めから焦点を合わせられる人間はいない。果たして、彼はショウ一家のアイデンティティを確立する最後の一人になるのだろうか?」


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