働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ 落合陽一(著)  (小学館新書) 2020/6/3

「コロナ」によって、社会の前提がすべて変わった。

2020年、我々の「働き方」は大変革を迫られた。

リモートワークによって使える人的・時間的リソースが限られる中、「やるべき仕事」が自ずと抽出されてきた。

無駄な会議、出なくてもいいミーティングは排除され、

ビジネスチャットやビデオ会議などテクノロジーで解決できることはそれに任せることが増えてきた。

そして、「リモートワークのみで済む人材」への置き換えも始まりつつある。

では、「人間がやるべき仕事とは何か」──コンピュータやAIが進化した今、

私たちはこの命題に直面している。

ウィズコロナ、そしてポストコロナの世界では、それがいっそう問われることになる。

機械では代替できない能力を持つ人材=「クリエイティブ・クラス」として生きていくには、社会とどう向き合うべきなのか。

落合陽一氏のロングセラー『これからの世界をつくる仲間たちへ』をアップデートして新書化。

「なんとなく買ってみたが、なかなか良い本だった。
(私自身はわりと著者の提言を実践できてるほうである気がしたが、まだまだ自分は未熟者だなとも思った)。

以下、印象に残ったことを書いていこうと思う。

たとえば、社会をどうしたいか、何を実現したいか、などの意思を持つのは人間だけである。
コンピュータは、何かをやろうという意思や動機、モチベーションといったものを持たない。
それらのものを持っているのは、人間だけである。

逆に、そのような意思やモチベーションを持たない人間はこのままだとまずい。
なぜなら、モチベーションのある人間やそれが使うシステムによって、使われる側になってしまうからだ。

たとえば特に好きでもないしモチベーションもわかないものの、「安定しているから」という理由で選んだ仕事をしている人がいる。
余暇や家族との時間を重視し、仕事は必要悪だと考え、その仕事を仕方なく嫌々やってる人もいる。

このような人はまずい。
なぜなら、そのような類の仕事は、いずれ均質的なコンピュータのAIシステムで代替されていくだろうからだ。
コンピュータはいずれ、このような人たちの居場所を奪ってしまうだろうと著者は予測する。

では、システムによって使われるのではなく、システムを使う側になるにはどうしたらいいのか。

著者の提案はどれも興味深かったが、特に私が印象深かったのは、課題解決志向、興味の掘り下げ、言語化の3点。

課題解決志向については、たとえば誰も気づかなかった課題や、なるべく大きな課題を見つけることを著者は提案している。
これは私自身も常々考えていることなので、我が意を得たりという気持ちだった。

興味の掘り下げについては、自分の興味の対象を掘り下げ、追求していくことである。
それ自体が本人にとって楽しいことだし、人との差別化にもなるし、コモディティ化の回避にもつながると私も思う。

言語化については、意見や物事を「なんとなく」で済ませるのではなく、言語化することで、様々なメリットがあることを解説している。

長々と書いてきましたが、本書は良い本だと思います。
特に若い人におすすめしたい。お子さんがいる人は読ませてあげるといいかも。おすすめです。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

おすすめの記事