真珠とダイヤモンド 上下巻 桐野夏生 (著) 毎日新聞出版 (2023/2/2) 上巻1,760円 下巻1,650円

桐野夏生が描く「バブル」

実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!

1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。

一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。

貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。

野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。

欲、たぎる地で迎える圧巻のクライマックス

時代はバブル全盛に。

東京本社に栄転が決まった望月と結婚した佳那(かな)は、ヤクザの山鼻の愛人・美蘭(みらん)のてほどきで瞬く間に贅沢な暮らしに染まっていく。

一方の水矢子(みやこ)は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。

そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す……。

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