必死に足掻いて生き続けるのさ。この国の政がどうあろうともーー。
時は平安末期ーー。宮廷を覆う不穏な影。
猛き者たちの世へ時代が移ろう中で、滅びゆくものと、生き続けるもの。
直木賞受賞作家がつむぐ、至高の短編集。
「武者の世の訪れを告げる都。権力者に翻弄されつつ必死に生きる中・下層の人々を活写した、濃密で情感あふれる歴史物語」(創価大学教授/NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」時代考証 坂井孝一)
「漆花ひとつ」澤田瞳子
武士の世が近づきつつある平安後期を舞台にした短編集。
作者が描く、どんな状況下でもひたむきに生きていく人々の姿が好きだ。
対照的にそうはなれない人間の哀しさも。磨いてきた知識、経験に誇りを持つ生き方に、あっぱれと拍手したくなった一篇があり特に心に残った。 pic.twitter.com/rdQ9PPySdV
— 秋子 (@Aki_kob) March 9, 2022
著者について
澤田 瞳子
1977年京都市生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒、同大学院博士前期課程修了。2010年『孤鷹の天』で小説家デビュー。同作により第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。13年『満つる月の如し』で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞ならびに第32回新田次郎文学賞を受賞。21年『星落ちて、なお』で第165回直木賞受賞。
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